研究課題/領域番号 |
20H03417
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
西条 寿夫 富山大学, 学術研究部医学系, 特別研究教授 (00189284)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 本能的認知 / 膝状体外視覚系 / 上丘 / 扁桃体 / ガンマオシレーション / ヘビ / 顔 / 霊長類 |
研究開始時の研究の概要 |
霊長類は膝状体外視覚系(網膜→上丘→視床枕→扁桃体等)により、同種の顔および天敵であるヘビに対して本能行動を示す。本研究では、霊長類であるサルを用い、上丘および扁桃体ニューロンのヘビ、サルおよびヒトの顔、ならびに猛禽類と肉食獣に対する応答性を比較・解析することにより、作業仮説「霊長類の脳は猛禽類や肉食獣と比較してヘビと顔に反応性が高く、さらに顔に対しては同種の顔に反応性が高い」を検証する。
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研究成果の概要 |
ヒトやサルなどの霊長類は、ヘビ未体験の個体でも他動物と比較して天敵であるヘビを素早く検出できる。本研究では霊長類におけるヘビや顔の本能的認知機構を明らかにするため、サル膝状体外視覚系(上丘及び扁桃体)の視覚刺激に対する応答性を解析した。その結果、1)扁桃体および上丘ニューロンは、ヘビや同種の顔に他動物と比較して、短潜時で素早く、かつ強く応答する、および2)これら上丘および扁桃体ニューロンは、ヘビに対して特異的に短潜時でガンマオシレーションを呈することが明らかになった。これらのことから膝状体外視覚系は、特にヘビの素早い上行性情報処理システムとして機能していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘビは人類を含む霊長類共通の天敵であり、人類の脳はヘビを検出する視覚能力を高めるために進化してきたことが示唆されている(ヘビ検出仮説)。例えばヘビ検出仮説を支持するデータとして、1)ヘビを未経験である小児やサルでも、ヘビを素早く検出し、恐怖症状を示す、2)ヒトでは、恐怖症の対象物としてヘビの頻度が高いことなどが報告されている。本研究結果は、これら行動学的データに神経科学的基盤を与えるものである。
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