研究課題/領域番号 |
20H03424
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
久保 義弘 生理学研究所, 分子細胞生理研究領域, 教授 (80211887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | イオンチャネル / 構造機能連関 / 動的構造変化 / 膜電位固定下蛍光測光 / tmFRET / FRET / 蛍光非天然アミノ酸 / 遷移金属 / 受容体 / 構造変化 / 遷移金属イオン |
研究開始時の研究の概要 |
イオンチャネルの分子機能のメカニズムの研究において「作動時の姿」を知る研究は重要である。近年、膜タンパク質の Cryo 電顕による構造解析の空間解像度の劇的な向上により、多くのイオンチャネルの構造が明らかにされたが、動的構造変化に関する情報は限定的であるため、各種分光法等の方法論が工夫されてきた。本研究では、イオンチャネルタンパク質に取り込ませた蛍光非天然アミノ酸をドナー、イオンチャネルタンパク質にラベルした遷移金属イオンをアクセプターとするFRET解析法を確立する。そして、この方法論等の適用により、各種イオンチャネルの動的構造変化と作動機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、イオンチャネルの作動メカニズムの理解に向けて、膜電位固定下蛍光測光法、および遷移金属イオンFRET法を用いた、イオンチャネル電流の電気生理学的記録と、動的構造変化の光生理学的記録との同時取得等による解析を行った。ATP受容体チャネルP2X2の非典型的膜電位依存性活性化の分子基盤、Two Pore Na+ チャネルTPC3のPIP2と膜電位によって複合的に決定される活性化の分子メカニズム、G タンパク質活性化型内向き整流性K+チャネルGIRK2の病態変異体におけるイオン選択性の異常の病態メカニズム等に関する知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イオンチャネルの作動メカニズムの理解には、Cryo電顕等が与える静的構造情報と共に、動的構造変化を光学的手法により得ることが重要である。本研究では、膜電位固定下蛍光測光法等を用いて、電気生理学的記録と光生理学的記録を同時に行い、両者を突き合わせて詳細な解析を行うこと等により、イオンチャネルの複雑な膜電位依存的活性化の分子メカニズム等を明らかにした。今後、同様の解析は、他の膜タンパク質の研究にも適用できると期待される。また、イオンチャネルの作動メカニズムの解明は、イオンチャネル病の病態メカニズムの理解や新しい治療法の開発につながる可能性を有している。
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