研究課題/領域番号 |
20H03428
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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研究分担者 |
永井 拓 藤田医科大学, 精神・神経病態解明センター, 教授 (10377426)
溝口 博之 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (70402568)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 統合失調症 / Rhoキナーゼ / 抗精神病作用 / Fasudil / ROCK2阻害薬 / Rhoキナーゼ / 動物モデル / 抗精神病薬 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症 (SCZ)はアンメット・メディカルニーズの高い疾患であり、従来の抗精神病薬の延長線上ではない新しい作用機序を有する治療薬の開発は喫緊の課題である。これまでに我々は、SCZの新規治療標的としてRhoキナーゼを同定し、Rhoキナーゼ阻害薬の抗精神病作用を確認して国際特許を申請した。本研究では、高次脳機能制御におけるRhoキナーゼの役割を解明し、そのメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は統合失調症患者から同定されたARHGAP10遺伝子変異を有する病態モデルマウスを作出し、その表現型解析から新規治療標的としてRhoキナーゼ(ROCK)を同定した。本研究では、高次脳機能制御におけるROCKの役割を解明するために、非選択的ROCK阻害薬FasudilとROCK2選択的阻害薬KD025を用いた薬理学的機能解析を行った。さらに、線条体のドーパミンD1受容体発現中型有棘神経細胞(DIR-MSN)の神経活動、ならびに脱分極誘発性ドーパミンおよびセロトニン遊離に対するROCK阻害薬の効果を調べた。その結果、ROCK2は新規抗精神病薬の開発のための優れた創薬標的となることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SCZは思春期以降に発症する代表的な精神疾患である。有病率は約1%であり、本邦の患者数は79.5万人、その内18.7万人は入院治療を受けており、経済的損失は、間接的費用を含めると年間2.8兆円に達する。SCZの病因・病態は未解明であり、その治療は抗精神病薬を用いた対症療法が中心であるが、十分な薬物治療をしても約2/3の患者には精神障害が残存し、再発・再燃を繰り返す。したがって、従来の抗精神病薬の延長線上ではない、真に有効な治療薬の開発は患者・家族だけでなく社会的要請である。本研究成果は、新規抗精神病薬の開発のための創薬標的としてROCK2を同定した。
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