研究課題/領域番号 |
20H03433
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 雄彦 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (50333365)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | リン脂質 / 疾患モデル / がん / リン脂質シグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜のホスホイノシタイド群(PIPs)は多様な生理機能をもち、その代謝異常は様々な 疾患に関与している。申請者は最近、包括的PIPs測定方法を開発し、不明な点が多いPIPsアシル基多様性の生物学的意義の解明に取組んでいる。本研究では、世界でも我々だけがもつPI(3)P分子種測定技術を、膵臓がん細胞、マウスがん組織に適用する。PI(3)P分解酵素の遺伝学的解析とPI(3)P結合タンパク質の生化学的解析もあわせて、膵臓がんの進展に関与する特定のPI(3)P分子種の同定を目指す。PIPs分子種特異的機能の解明は、生物学、医学、薬学の幅広い研究に新しい視座を与えるものと期待できる。
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研究成果の概要 |
細胞膜のホスホイノシタイド群(PIPs)は、ヘッドグループのリン酸化状態に依存して多様な生理機能をもち、その代謝異常は様々な疾患に関与している。我々は最近、包括的PIPs測定方法を開発し、不明な点が多いPIPsアシル基多様性の生物学的意義の解明に取り組んでいる。本研究で、膵臓がんでPI(3)Pレベルを制御するホスファターゼMTMR3を同定し、MTMR3によって制御されるPI(3)P分子種が膵臓がん細胞の増殖を促進していることを見出した。PI(3)Pの下流分子の探索を行い、PI(3)P結合ドメインを持つWDFY1が膵臓がん細胞の増殖に関わることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新たに膵臓がん細胞で増加したPI(3)Pの下流分子の探索を行い、PI(3)P結合ドメインを持つWDFY1が膵臓がん細胞の増殖に関わることを明らかにした。MTMR3/PI(3)P/WDFY1という新規シグナル経路が、膵臓がん細胞の増殖・悪性化に寄与することを見出した。さらに、MTMR3ノックアウトマウスががんを好発することを初めて見出した。今後、PI(3)P分子種レベルの計測および発がん表現型の解析を進め、難治性がんの代表である膵臓がんの発症メカニズム解明と、新規治療標的を提示できる。
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