研究課題/領域番号 |
20H03443
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小林 慎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (10397664)
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研究分担者 |
三浦 史仁 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50447348)
廣瀬 伸一 福岡大学, 医学部, 教授 (60248515)
石野 史敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60159754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 性差を示す遺伝性疾患 / X染色体不活性化 / 非メンデル遺伝 / X染色体 / メンデル遺伝に従わないヒト遺伝病 / X染色体の不活性化 / 性差 / ヒト遺伝病 |
研究開始時の研究の概要 |
X染色体連鎖であるにも関わらず男性でなく女性のみで発症するPCDH19関連症候群について注目し、①患者の全ゲノムメチローム解析、②XCI異常を検出する為の遺伝子発現解析、③ X染色体上にある不活性化制御因子の変異探索、更に④患者で検出された遺伝子変異を基にした疾患モデルマウス・細胞の作製・解析、の4課題について取り組む。上記の方法により、最終的に変異と、XCIの異常及び非メンデル遺伝パターンとの因果関係を明らかにし、非メンデル遺伝をしめす本疾患の発症メカニズムについて解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
PCDH19群発てんかんは、X染色体上のPCDH19遺伝子の変異により発症するが、なぜ女児のみが発症するのかメカニズムは未解明であり治療法も存在しない。本疾患がエピジェネティック制御であるX染色体不活性化(XCI)の異常で起こると仮説を立て、患者家族の血液サンプルを集めメチローム解析を行った。その結果、X染色体全体では大きなメチル化の異常は認められなかった。また、疾患モデルであるFtx KOマウスの解析から、Xist発現制御メカニズムの解明に成功した。今後、さらに領域を絞り詳細なメチル化の解析を行ない、患者検体を増やすことで、発症メカニズム解明に繋がることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで不明であった非メンデル遺伝の疾患発症メカニズム解明へ、従来見過ごされてきたXCI異常の検出に焦点を当て全く新しいアプローチで取り組んだ。本課題では、ヒト疾患解析において、ゲノム配列を基盤とする遺伝学に新たにエピジェネティクスを組み合わせた解析の基盤を整えた。今後患者の検体を揃えることにより、エピジェネティクスがヒト遺伝性疾患で果たす重要な役割を明らかにできると期待される。その成果は患者の治療法の確立に結び付く社会的意義のほか、他の非メンデル遺伝を示す疾患の発症理解にも新しい視点を提供できる点で学術的意義がある。
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