研究課題
基盤研究(B)
近年、過栄養に伴う代謝ストレスが慢性炎症を誘導し、生活習慣病の病態基盤となることが注目されている。研究代表者は、代謝ストレスによる細胞死が自然免疫応答を惹起して、メタボリックシンドロームにおける慢性炎症をもたらすことを見出した。本研究では、どのような細胞死が、どのようにして疾患・臓器特異的に炎症慢性化をもたらすかを解明し、新たな病態メカニズムの解明を目指す。
本研究では、過栄養に伴う慢性炎症の分子機構を解明するために、肥満や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)で認められる特徴的な組織像のcrown-like structure(CLS)に注目し、その形成機構や病態生理的意義を検討した。具体的には、(1)植物由来フラボノイド・タキシフォリンのNASH治療への応用、(2)NASHにおける鉄高含有マクロファージの機能的意義の解明、(3)マクロファージコレステロール代謝変容がもたらす肝線維化機構の解明について取り組んだ。
現在、NASHの病態メカニズムは未だ不明の点が多く、厚労省に認可されたNASH治療薬も存在しない。本研究では、既に健康食品として世界中で使用されているタキシフォリンが抗メタボリックシンドローム効果に加えて、抗NASH効果も有することを初めて明らかにするとともに、CLSが薬効評価の点で有用であることを示した。また、鉄やコレステロールに着目してNASH病態メカニズムの一端を明らかにし、新たな治療戦略の創出につながると期待できる。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 3件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 2件、 招待講演 19件) 備考 (2件) 産業財産権 (3件) (うち外国 1件)
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