研究課題/領域番号 |
20H03466
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 伸一郎 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90361625)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 樹状細胞 / Rab7a / 自己免疫性肝炎 / 原発性胆汁性胆管炎 / エンドソーム / Toll-like receptor / 2型自己免疫性肝炎 / 自己免疫性貧血 / エンドソーム成熟異常 / ライソソーム / 抗原提示 / 低分子量G蛋白質 / 小胞輸送 / TLR7 / TLR3 / T細胞 / 胆管炎 |
研究開始時の研究の概要 |
2型自己免疫性肝炎(AIH)は主に子供が発症し重症なケースが多い原因不明の疾患である。我々はTLR3とRab7aが特異的に会合することを発見したことから、樹状細胞特異的にRab7a遺伝子を欠損させた。すると、全てのマウスで2型AIHを発症し死亡した。これは1遺伝子欠損による世界初の2型AIHモデルマウスである。このマウスを解析することで、2型AIHの発症機構を解明する。本研究では2型AIH発症におけるB細胞の役割、T細胞と抗原提示に関わるMHC class Iの役割、CD8陽性樹状細胞の役割、各TLRの役割を詳細に解析することにより2型AIHと関連する肝臓疾患の発症機構解明へと研究を進める。
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研究成果の概要 |
今まで自己免疫性肝炎(AIH)と原発性胆汁性胆管炎(PBC)を発症するオーバーラップ症候群の発症機構は全く分かっていない。これはAIHとPBCを発症するオーバーラップ症候群のモデルマウスがいないためである。本研究では研究代表者が作製した樹状細胞特異的Rab7a欠損マウスがAIHとPBCを発症するオーバーラップ症候群を発症する世界初のモデルマウスであることを明らかにした。また樹状細胞のエンドソーム異常が抗原提示の増強からAIHやPBCの発症につながる可能性を示唆した。このような発症機構は今までにない報告である。さらにγδT細胞がPBCの発症に関与していることを解明した初の報告である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでいくつかの自己免疫疾患の発症機構が報告されている。本研究結果では樹状細胞のエンドソーム異常が自己免疫疾患の発症に関与している可能性を新たに示している。今後免疫担当細胞のオルガネラ異常と自己免疫疾患の発症とを結びつける研究が発展して行くものと考えられる。そして免疫細胞にオルガネラ異常が起こる機構に関しても研究を進める必要がある。また本研究結果は全く分かっていなかった自己免疫肝疾患のオーバーラップ症候群の理解に大きな前進となる。さらに原発性胆汁性胆管炎の発症にγδT細胞が関与することが明らかになったことで新規の治療法の開発につながる可能性がある。
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