研究課題/領域番号 |
20H03473
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
田中 正人 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (00294059)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 単球 / 制御性 / マクロファージ / 組織障害 / 修復 / 骨髄 / 前駆細胞 / マイクロファージ / 組織傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
単球由来マクロファージは、組織傷害の炎症期と修復期で異なる働きをするが、その形質転換のメカニズムの詳細は明らかになっていない。我々は、最近、マウス単球の中に、これまで知られていた炎症性単球とは機能の異なる新規サブセットを同定した。この細胞は、組織傷害の修復期にのみ骨髄で増産され、傷害組織に浸潤して炎症の収束と組織修復を担う細胞であることが分かった。本研究では、この制御性単球の動態と機能を分子レベルで明らかにすることで、組織傷害の回復期における単球由来マクロファージの役割を解明し、傷害組織と骨髄の臓器連関の実体を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、我々が同定した制御性単球の組織傷害における分化、動態、機能を分子レベルで明らかにすることを目的とした。その結果、従来型の単球がMDPおよびcMoPから分化するのに対し、制御性単球は、GMPからproNeu1およびGMP-MoPを経て分化することが明らかとなった。さらに、proNeu1からGMP-MoPへの移行段階で、Irf8の発現上昇とGfi1発現低下が起こることが制御性単球の分化に必須であることが明らかとなった。また、G-CSFがGMPあるいはproNeu1からGMP-MoPの分化を誘導することも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、我々が世界に先駆けて同定した制御性単球の分化と役割を明らかにすることにより、現在の免疫学の中心課題の1つである単球およびマクロファージの形質転換の機構の全容解明を目指したものである。本研究成果は、緊急造血時におけるマクロファージの形質転換あるいは可塑性のメカニズムを理解する上でブレークスルーとなることが期待できるとともに、将来的に、炎症制御や組織修復促進を目的とした新たな疾患治療法の開発につながる可能性がある。
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