研究課題/領域番号 |
20H03479
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高野 愛 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (90700055)
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研究分担者 |
下田 宙 山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40719887)
松村 隆之 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 室長 (50434379)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | マダニ / SFTSV |
研究開始時の研究の概要 |
マダニ媒介性感染症の1つである重症熱性血小板減少症候群は、致死率が20%前後と高く、未だ治療法が確立していない。このような重篤な疾病にも関わらず、ワクチンは未だ開発されておらず、その予防法は唯一「マダニに刺されないこと」が現状である。 一方、本疾病を引き起こすウイルスのマダニ体内での動態は不明な点が多い。本研究では、マダニ体内におけるウイルスの動態を解明し、マダニの中でウイルスがどのように維持され、どのようにヒトや動物へ伝播されているかの基礎的な生態情報を得ることを目的とする。また、これにより、ウイルスの予防対策に寄与する有益な基本情報を提供することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、致死的なマダニ媒介性の感染症である重症熱性血小板減少症候群ウイルスのマダニ体内での感染動態の解明と、哺乳類宿主への伝播時間を明らかにするものである。 1,重症熱性血小板減少症候群ウイルスのマダニ体内での感染動態を解明 未吸血若ダニにウイルスをマイクロインジェクションにて接種し、経時的に観察している。昨年度までの結果から、臓器ごとに検出されるRNA数に違いが見られたことから、本年度はウイルス感染細胞を蛍光染色にて可視化し、共焦点顕微鏡で観察を行った。その結果、接種後経時間的に陽性細胞が増え、接種後2週から3週程度で陽性細胞が充分数増えることがわかった。臓器間の差もRNA同様の傾向が見られたことから、人工感染モデルではウイルス感染細胞でタンパクが十分発現し、陽性細胞が増えてくるのは2-3週間程度必要であること、ウイルスタンパク陽性細胞は臓器に偏りがあることが判明した。本内容の一部は獣医学会にて発表を行った。 2,陽性マダニを用いたマウスへの感染実験 本年度より、人工感染マダニをマウスに吸血させ、経時的に取り除くことで、伝播までの時間を検証中である。実験は2回行っており、2回の結果はほぼ同様の結果となった。マダニを取り除いた後、4週間程度で血清を回収し、現在、詳細を解析中である。マダニ側の解析では、吸血開始後にマダニ組織中のウイルスタンパク陽性細胞が一気に増加し、各臓器に広がっていく様子が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の予定通り順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、人工感染マダニを一度吸血させ、脱皮した個体の観察と、脱皮後の成ダニでの吸血時の動態を検証する予定である。
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