研究課題/領域番号 |
20H03485
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
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研究分担者 |
西田 隆司 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (20845200)
平松 征洋 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (90739210)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 百日咳 / 百日咳毒素 / Vag8 / エンドトキシン / 咳発作 / ブラジキニン / TRPV1 / 咳嗽発作 |
研究開始時の研究の概要 |
百日咳は百日咳菌による呼吸器感染症である。本症の主症状で認められる発作性咳嗽(咳発作)は患者に多大な負荷をかけ、激しい場合は死に直結するが、その発症機構は全く不明であった。これまでに申請者らは、世界ではじめて百日咳菌投与による実験動物の発咳モデルを開発し、その解析を通じて咳誘導に関与する百日咳菌の病原因子を3種類同定することができた。本研究課題では、さらに咳発作の発症メカニズムにおけるこれら3種類の病原因子の役割を解明し、咳発作のメカニズムの全体像の理解を目指す。
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研究成果の概要 |
百日咳菌感染によって生じる咳発作の作用機序を解析した。これまでに研究代表者らが同定した咳発作に関わる3種類の百日咳菌由来分子(百日咳毒素(PTx), Vag8, エンドトキシン(LOS))の役割を解析したところ、LOSが受容体のTLR4を介して炎症性メディエータのブラジキニン(Bdk)の生成を誘導すること、Vag8はBdk生成の負の制御因子C1エステラーゼインヒビターの作用を抑制してBdk生成を亢進させること、PTxはBdkが誘導する細胞内シグナルの負の制御を解除して下流の咳反射に関わる活動電位を発生させるイオンチャネルTRPV1 の刺激感受性を亢進させ、激しい咳発作を起こすことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により百日咳の咳発作のメカニズムが明らかとなった。その成果により、ブラジキニンやTRPV1の作用を阻害することなどによって、百日咳症の患者に多大な負担をかける咳発作に対する原因療法の開発に道が拓かれる可能性が示された。また、研究実施者らが開発したマウスの咳モデルは、咳誘発因子を必要としない覚醒状態の動物の咳を観察できるため、未だ不明な点が多い動物の咳反射メカニズムの解析に大いに役立つと考えられた。
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