研究課題/領域番号 |
20H03489
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
原 英樹 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30456892)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 感染症 / 炎症 / インフラマソーム / グラム陽性菌 / 薬剤耐性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではグラム陽性病原菌がどのような機序で宿主インフラマソーム応答を活性化し、感染宿主内で増殖しているのか、その機構を解明することを目的とする。インフラマソーム応答は自然免疫機構の1つであるが、申請者らの研究からむしろリステリアなどの病原菌の生体内増殖を亢進することが明らかとなった。そこでリステリアがインフラマソームを活性化する機序とインフラマソーム応答により菌の生体内増殖が加速する機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
リステリアや黄色ブドウ球菌などのグラム陽性病原菌がインフラマソームを活性化し感染宿主内での増殖を亢進していることをわれわれは見出している。本研究では、リステリアが産生する病原因子LLOがシグナル伝達の場として機能する膜ラフトに集積することで、LynやSykを介してインフラマソーム応答を亢進することを突き止めた。同活性にはLLO223番目のスレオニンが重要であり、同アミノ酸を置換するとリステリアの病原性が消失することを見出した。以上の結果から、インフラマソーム応答がリステリアなどの感染病態形成に重要な役割を担っており、LLO内の1アミノ酸により制御されていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インフラマソーム応答は病原菌感染で活性化されるが、非病原菌はインフラマソーム受容体に対するリガンドは発現しているにも関わらず活性化できない。インフラマソームによるこの病原菌と非病原菌の識別機構は不明であったが、本研究ではリステリアが産生する病原因子に着目することで、インフラマソームの活性化には細胞内受容体に対するリガンドだけでなく、ASCの翻訳後修飾を可能とする病原因子の存在が必須であることを突き止めた。この知見はASCの翻訳後修飾を阻害することで感染病態を改善できることを意味しており、今後、特異的な阻害剤を開発することで薬剤耐性菌の治療などに応用できる可能性を秘めいている。
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