研究課題/領域番号 |
20H03491
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
一戸 猛志 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10571820)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / SARS-CoV-2 / 上気道常在菌 / 経鼻ワクチン / インフルエンザ / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまで腸内細菌叢によるインフルエンザウイルス特異的な免疫応答の制御機構に関する研究に取り組んできた(Ichinohe et al. PNAS 2011, Moriyama et al. PNAS 2019)。しかし上気道常在菌がインフルエンザウイルスの増殖や経鼻ワクチンの効果に与える影響については不明である。そこで本研究では、上気道常在菌がインフルエンザウイルスの増殖や、ウイルス感染後に誘導されるウイルス特異的な免疫応答、また経鼻ワクチンの効果に与える影響について解析する。これによりインフルエンザの症状や経鼻ワクチンの効果を上気道常在菌により改善することが可能になると期待できる。
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研究成果の概要 |
上気道常在菌がウイルス特異的な免疫応答の誘導やワクチン効果に与える影響は不明である。そこで本研究では、上気道常在菌がインフルエンザウイルス特異的な免疫応答の誘導やワクチン効果に与える影響を解析した。マウスの上気道常在菌を抗生物質で死滅させるとインフルエンザウイルス感染後に誘導されるウイルス特異的な抗体応答が増加することを見出した。培養した口腔菌をワクチンと混合して経鼻投与すると、ワクチン接種群ではウイルスに対する抗体が誘導され、インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2の増殖量が有意に抑制されていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究から、経鼻インフルエンザワクチンはウイルスの感染の場となる上気道粘膜にウイルス特異的なIgA抗体を誘導するため、ウイルスの感染そのものを阻止することができる有効なワクチンであることが明らかになっている。このことから、日本でも経鼻投与型のインフルエンザワクチンが実用化する予定である。本研究成果はこのような経鼻ワクチンの効果を高めるために必要な重要な知見であり、より少ない量のワクチンで最大限の効果を発揮する経鼻ワクチンの開発研究に役立つと期待される。今後は新型コロナウイルスの感染そのものを阻止することができる有効な経鼻ワクチンを開発することを目指す。
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