研究課題/領域番号 |
20H03494
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 岳志 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (00422410)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / 転写・複製 / RNP / 核小体 / RNP形成 / RNP複合体 / 転写 / 複製 / 核 |
研究開始時の研究の概要 |
インフルエンザウイルスは、他の多くのRNAウイルスと異なり、感染細胞の核内でRNP複合体を形成する。しかし、核内には多様な核内ドメインが存在しており、核内のどこでRNP複合体が形成されるかは未解明のままである。本研究課題では、核小体に着目し、RNP複合体の形成の場を明らかにすることを目的とする。本研究課題が遂行されれば、従来ほとんど明らかにされていなかったRNP複合体の核内動態の詳細な理解につながり、インフルエンザウイルスのユニークな核内複製戦略の解明へと発展する。
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研究成果の概要 |
インフルエンザウイルスのゲノムRNAは、ウイルスRNAポリメラーゼおよび核タンパク質NPとともに、螺旋状のRNP複合体を形成する。本研究では、核内におけるRNP形成機構を明らかにすることを目的とした。 核小体移行シグナルに変異を導入した変異体NPを用いて細胞内でRNPを再構成したところ、変異NPは螺旋状のRNPを形成できず、転写・複製活性を持たないことを見出した。一方で、その変異NPに核小体移行シグナルを付加した復帰変異体NPを用いてRNPを再構成したところ、螺旋状RNPを形成し、転写・複製活性を持つことを確認した。従って、核小体がRNP形成で重要な役割を果たすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、インフルエンザウイルスの転写・複製を担うRNP複合体の形成において、核小体が重要な役割を担うことを明らかにした。RNP形成の場が核小体か否かは未だ議論の余地があるが、NPが一過性に核小体に移行することが必須であることを明らかにした点において、ウイルス学的に重要な意義を持つ。実際に核小体形成を阻害する化合物により、インフルエンザウイルスの増殖を有意に阻害することができた。RNP複合体形成のメカニズムをより詳細に明らかにすることで、細胞毒性のないRNP形成阻害薬の開発につながる可能性がある。
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