研究課題/領域番号 |
20H03513
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣内 伸之 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (90839721)
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研究分担者 |
妹尾 浩 京都大学, 医学研究科, 教授 (90335266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 大腸がん / ドライバー変異 / クローン拡大 / 腫瘍進化 / クローン進化 / 網羅的ゲノム解析 / ドライバー遺伝子 / バイオインフォマティクス / ゲノム異常 / 慢性炎症 / 前癌病変 / 自然選択 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がんはわが国のがん死亡原因第2位であるが、未だ発がん機序の多くは不明である。最近、正常組織でもがんと同様に遺伝子変異(ドライバー変異)を有する細胞集団が増殖していることが判明した。さらに、正常組織とがん組織との間でしばしばドライバー遺伝子が異なり、両者では異なる選択機序が働いている可能性が示唆されている。本研究では良性腫瘍や大腸がんに加えて、従来ゲノム解析が困難とされてきた正常大腸上皮を、微小サンプリング法によりこれまでにない解像度で網羅的ゲノム解析を行う。これにより大腸発がん基盤を解明し、大腸がんの早期発見・早期治療への応用や新規治療標的に関する知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では従来想定されていた腺腫から始まる大腸がんの多段階発がん仮説を超えて、未だ詳細が明らかとなっていない正常大腸組織における遺伝子変異クローンの詳細を明らかにし、初期の腫瘍性病変から進行期のがんまでを解析することで、大腸発がん基盤を包括的に理解することを試みた。正常組織から大腸がんの起源細胞が生じる機序や、腫瘍進化の過程などは完全な理解に至らなかったが、本研究を通して開発した研究手法や知見は今後の大腸がん研究の発展に寄与するものとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんは現在わが国の悪性腫瘍による死因の第2位で、年間約5万人が死に至る疾患であり、現在も増加傾向にあるとともに今後さらなる増加が見込まれている。大腸がんの予後改善のためには早期発見・早期治療を目的としたスクリーニング、および進行がんにおける治療成績の向上が急務であり、本研究により大腸がんの発生機序や正常細胞から癌へのクローン進化に関する知見が得られ、これらは大腸がんの早期発見・早期治療およびがんの発症前治療に対する新たな戦略の構築に資すると期待される。
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