研究課題/領域番号 |
20H03514
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安永 純一朗 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40362404)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | HTLV-1 / ATL / HBZ / HTLV-I / 成人T細胞白血病 / ヒトT細胞白血病ウイルス1型 / ウイルス発がん / Tax / HTLV-1 bZIP factor |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルス1型 (HTLV-1)感染により発症するCD4陽性T細胞の白血病であり、HTLV-1プロウイルスにコードされるTaxとHBZが発がんに関与している。Taxは一部の感染細胞に一過性に発現し、細胞の生存と集団の維持に寄与する。一方、HBZは持続的に発現する。HBZはタンパク質及びRNAとして機能し、感染細胞、ATL細胞の増殖を亢進する。即ちHTLV-1はマルチモードな機構により発がんを惹起するが、詳細な分子機序は不明である。本研究課題では、Tax、HBZの時空間的発現変動、HBZの異なる分子形態の作用機序と発現機構を解析する。
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研究成果の概要 |
ATLの発がん機序においてHBZが重要な役割を果たしている。HBZはcoding機能とnon-coding機能を併せ持つbifunctional RNAとして作用するが、HBZ RNAとタンパク質はそれぞれ異なる機序でヒトTP73遺伝子を発現誘導し、「がん代謝」及び「エピゲノム異常」を促進することを報告した(Toyoda K, Yasunaga JI, et al. Blood Cancer Discov, 2023)。さらにHBZタンパク質がhA3Gを介してTGF-beta経路を活性化する機序を報告した(Shichijo T, Yasunaga JI, et al. PNAS, 2024)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HTLV-1 bZIP factor RNA及びタンパク質による発がん機序を明らかにし、新規治療標的として乳酸トランスポーターMCT1、MCT4を同定した。またATL細胞の増殖、生存にTGF-beta経路の活性化が必須であることも見出し、TGF-beta阻害剤、Smad阻害剤がATL細胞に細胞死を誘導することから、TGF-beta/Smad経路も治療標的となることを証明した。これらの知見は、ATLに対する新規治療法の開発に繋がる。
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