研究課題/領域番号 |
20H03515
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 京都大学 (2022) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
三木 裕明 京都大学, 工学研究科, 教授 (80302602)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | がん / リソソーム / 酸性環境 |
研究開始時の研究の概要 |
体内のpHは通常7.4前後に維持されているが、がん細胞が増殖してがん組織が大きく広がると共にその周辺組織は酸性化してゆく。酸性環境は細胞増殖を妨げるなど、通常の細胞にとって害を及ぼすものだが、悪性化したがん細胞はその中でも増殖を続けてゆく。私たちはこのがん細胞の特性とも言える酸性環境適応に関わる遺伝子を見つけており、この研究ではその具体的な機能メカニズムを明らかにしてゆく。
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研究成果の概要 |
本研究ではがん悪性化因子PRLの高発現によって引き起こされる酸性環境適応に関して解析を進めた。PRLを高発現する細胞ではリソソームが細胞膜と融合するlysosomal exocytosisが活発に起こっており、細胞外へプロトンを放出することで、酸性環境下でも細胞内pHを通常近くに維持していることが分かった。また、特定のシグナル伝達がlysosomal exocytosisを活発化していることを見つけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性化したがん組織が酸性化していることは古くから知られてきたが、がん細胞の応答機構は長らく不明だった。本研究では、がん細胞がリソソームの膜動態を調節することで積極的にプロトンを排出して、酸性環境に適応してゆく仕組みを新たに発見することができた。がん悪性化の本態をその周辺環境との関わりの中で理解し、また、がんの人為的コントロールに道を開く重要な研究成果と評価できる。
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