研究課題/領域番号 |
20H03517
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
仲 一仁 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (70372688)
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研究分担者 |
坂本 直也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (20571798)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | CML幹細胞 / リゾリン脂質 / リゾフォスフォリパーゼD / Gdpd3 / TKI抵抗性 / 再発 / FOXO / beta-catenin / FOXO3a / リゾホスフォリパーゼD / リポクオリティ / リゾリン脂質代謝 / Foxo3a / がん幹細胞 / CML / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
がん幹細胞は非常に多くのがん細胞を産生する能力と抗がん剤治療に対する抵抗性を有しており、治療後に残存したがん幹細胞は再発や転移の原因となる.本研究では,慢性骨髄性白血病(CML)のマウスモデルを用いて,CMLのがん幹細胞(CML幹細胞)の抗がん剤抵抗性の制御における脂質代謝の役割の解明を目的とした研究を行なう.さらに,ヒト胃・大腸がん幹細胞を含む患者由来オルガノイド細胞を用いて脂質代謝の役割を解析し,CMLと上皮性腫瘍のがん幹細胞の間での脂質代謝の共通性を手掛りにヒトがん幹細胞の薬剤耐性機構の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
近年のリピドミクス解析の技術進展に伴い,様々な生命現象における脂質代謝の役割が解明されつつある.リゾリン脂質はグリセロール骨格に1本の脂肪酸エステル基を持つ脂質分子であり,シグナル伝達を担うセカンドメッセンジャーとして注目されている.本研究ではゲノム編集技術を用いてリゾリン脂質代謝酵素Gdpd3のノックアウト(KO)マウスを樹立し,慢性骨髄性白血病(CML)幹細胞における機能解析を実施した.その結果,Gdpd3 KO CML幹細胞では自己複製能,及びTKI抵抗性が低下していることが判明した.従って,Gdpd3によるリゾリン脂質代謝はCML幹細胞の制御に必須な役割を担うことが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性骨髄性白血病 (CML) 患者の治療はチロシンキナーゼ阻害薬 (TKI)の開発によって飛躍的な改善を遂げた.しかし, TKI治療だけでCMLは根治せず,TKI抵抗性の再発がおこることが重大な課題となっている. CML幹細胞はこのような再発の原因となることが知られている.本研究では,CML幹細胞の自己複製能の維持,及びTKI抵抗性にリゾリン脂質代謝酵素Gdpd3が重要な役割を担うことを解明した.従って,Gdpd3によるリゾリン脂質代謝はCML幹細胞の再発を克服するための新しい治療標的となることが期待される.
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