研究課題/領域番号 |
20H03518
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
堀川 啓介 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 客員准教授 (60313095)
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研究分担者 |
滝澤 仁 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (10630866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 遺伝子変異 / B細胞 / シグナル伝達 / がん遺伝子 / 点突然変異 / 発がん機序 / リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
B細胞の自然免疫と獲得免疫に必須のシグナル伝達分子であるMYD88とCD79Bのアミノ酸置換変異は、さまざまなリンパ腫で認められ、特にリンパ節外リンパ腫に高頻度で共存する。本研究では申請者のこれまでの研究成果を推し進め、新規作製したCD79B変異マウスを利用して、MYD88L265P変異とCD79BY196H変異がどのように協調的に作用し、B細胞を癌化させるようなシグナルを伝達するのかを解明する。本研究より得られるリンパ腫の発癌機序に関する知見は、B細胞内シグナル伝達に関する理解を前進させるのみならず、MYD88とCD79B変異をもつリンパ腫に対する新規治療法の発見につながる。
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研究成果の概要 |
様々なタイプのリンパ腫で、MYD88とCD79BというB細胞のシグナル伝達分子の変異を発見されている。これら2つの変異は、発症例が多く中高悪性度のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫で多く見つかり、多くの症例で両者の変異が同時に認められる。本研究では、これらMYD88とCD79B変異がB細胞にどのような機能異常を引き起こしB細胞を悪性化させるのか、その機序をCD79B変異マウス由来の細胞を用いて解析した。シグナル伝達や遺伝子発現の解析により、MYD88変異がNFkB経路を、CD79B変異がPI3K経路を活性化し、これら両経路の異常な活性化がリンパ腫の発生・維持に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ腫を含むがんのゲノム解析により、多くの遺伝子変異が同定されてきている。その一方、個々の遺伝子変異の機能解析、また複数の遺伝子変異の相互作用の研究はあまり行われていない。本研究で、様々なタイプのリンパ腫で同定され、多くの症例で同時に認められるMYD88とCD79B変異の機能解析を行った。これら2つの変異は、発症例が多く中高悪性度のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫で多く見つかり、多くの症例で両者の変異が同時に認められる。本研究で得られた知見は、これらの変異をもつリンパ腫の発生・維持のメカニズム、さらに新規治療法の発見に有用であると考えられる。
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