研究課題/領域番号 |
20H03519
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
吉田 清嗣 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70345312)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
|
キーワード | 癌 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
新規癌抑制因子であるDYRK2について、マウス個体レベルの発癌過程における機能解明を目指す。具体的には、「DYRK2が癌幹細胞の起源である組織幹細胞で顕著に発現している」点に着想を得て、組織幹細胞特異的なDYRK2コンディショナルノックアウトマウスと発癌との関連性を、日本人(男女計)の罹患率予測が最も高い「大腸癌」と難治性で再発・転移の多い「肝臓癌」に焦点を当てて解明する。さらにこれらの知見を基盤とした、DYRK2遺伝子導入による発癌や癌進展の抑制効果について検証する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、申請者が世界に先駆けて見出した「リン酸化酵素DYRK2は癌幹細胞の発生・維持を制御することで癌抑制機能を発揮する」という知見を基盤とした、発癌における分子メカニズムの解明と癌制圧に向けた応用展開に主眼を置いた研究を展開した。具体的には「DYRK2の発現低下により正常幹細胞の維持機構が破綻し、癌幹細胞化による発癌を誘導する」という仮説を、主に遺伝子改変マウスを用いた個体レベルで検証した。さらに幹細胞性を有する癌細胞を標的としたDYRK2の抗腫瘍効果に着目し、大腸癌に対するアデノウイルスを介したDYRK2過剰発現による遺伝子治療を検証した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌幹細胞は高い腫瘍形成能を持ち、発癌のみならず、転移や再発の原因になると考えられている。一方で多くの抗癌剤に耐性を示すことから、癌幹細胞を標的とした治療法の開発が切望されている。我々はすでにDYRK2が癌幹細胞の発生・維持制御分子であることを明らかにしており、本研究ではこの知見を発癌制御機構に発展させた。研究成果として大腸癌の肝転移モデルマウスを用いてDYRK2を発現させることで、酵素活性依存的に転移癌の増殖を抑制できることを示した。従ってDYRK2が発癌抑制分子として臨床応用への展開が期待される。
|