研究課題/領域番号 |
20H03521
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
北嶋 俊輔 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞生物部, 研究員 (90566465)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 非小細胞肺がん / KRAS / STING / STK11 / LKB1 |
研究開始時の研究の概要 |
PD-1阻害薬に対して治療抵抗性を示すKRAS;LKB1変異型非小細胞がんに対して、STING経路活性化を介して免疫チェックポイト阻害剤抵抗性を克服するための新規治療法を開発する。KRAS;LKB1変異型非小細胞がんが示すSTINGアゴニストの低い膜透過性、STINGの低発現という2つの問題を克服するため、細胞内在性STINGアゴニストであるcGAMPの産生亢進およびSTINGの発現亢進を誘導する薬剤の探索を行う。さらに、KL型NSCLC患者で観察される腫瘍内浸潤リンパ球の割合が低い免疫微小環境形成の分子基盤を、血管ネットワークおよびがん細胞スフェロイドの共培養システムを用いて解析する。
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研究成果の概要 |
これまでに研究代表者は、免疫チェックポイント阻害薬抵抗性を示すKRAS-LKB1変異(KL)型非小細胞肺がん(NSCLC)において、細胞質内DNAセンサーであるSTINGの不活性化が免疫原性低下に寄与することを明らかにした。そこで本研究では、薬剤スクリーニングによりSTING経路を活性化する薬剤を探索し、紡錘体チェックポイントキナーゼMPS1に対する阻害薬が、KL型NSCLCに対して微小核形成を介してSTING経路を効率的に活性化することを見出した。またKL型NSCLCマウスモデルにおいて、MPS1阻害剤の奏功にはSTING依存的なCD8陽性T細胞の腫瘍内遊走が重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内における肺癌の死亡率は男性で第1位、女性で第2位となっており、年間7万人以上の人々が肺がんで亡くなっている。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、がん治療に革命をもたらし、現在の肺がん薬物治療の根幹を成しているが、一部のがん患者にしか奏功しない。ICI治療抵抗性を示す代表的ながん種であるKRAS-LKB1変異型非小細胞肺がんをモデルとして、がん組織の免疫原性が低下する分子機序を理解し、その成果に基づきICI治療抵抗性の克服を目指す。
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