研究課題/領域番号 |
20H03535
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
田島 健 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50384102)
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研究分担者 |
眞鍋 理一郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 上級研究員 (30280837)
高橋 史行 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70327823)
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 教授 (80245711)
柳下 薫寛 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (80781674)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 小細胞肺がん / SKP2 / ユビキチン‐プロテオソーム系 / 細胞周期 / 細胞老化 / ユビキチン‐プロテオソーム経路 / 阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「15年以上も新規治療法が開発されていない小細胞肺がんにおける、新規治療標的の同定ならびにその機能解析」である。小細胞肺がんにおいて従来の網羅的遺伝子解析から新たな治療標的の同定には依然至っていない。そこで研究代表者は、網羅的な遺伝子機能解析が可能なProject Achillesのデータベースを駆使し、標的を絞り込んだ。小細胞肺がんにおける新規治療標的としてなり得るか検討していく。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「長期にわたり新規治療法が開発されていない小細胞肺がんにおける、新規治療標的の同定ならびにその機能解析」である。小細胞肺がんは明確なドライバー遺伝子変異はもたず、がん抑制遺伝子の破綻に基づき発がんや進展するものと考えられ、従来の網羅的遺伝子解析から新たな治療標的の同定には至っておらず、新たな着眼点が必要であると考えられる。そこで本研究では、網羅的な遺伝子機能解析が可能なProject Achillesのデータベースを駆使し、小細胞肺がんで依存度の高い分子としてE3ユビキチンリガーゼ複合体の構成分子であるSKP2/CKS1Bを同定した。①実際の小細胞肺がん細胞株においてSKP2/CKS1Bへの依存度が高いことの証明。②小細胞肺がんにおいてSKP2/CKS1Bへの依存度が高いメカニズムの解明。③新たな治療標的としての可能性。④新規診断マーカーとしての可能性を検討し、今後の臨床応用の可能性を探る。 初年度は、①、③計画に対して研究を進め、小細胞肺がん細胞株においてSKP2/CKS1Bへの依存度が高いことを明らかにした。昨年度は③④を中心に進め、手術検体におけるSKP2の発現を確認し、非常に強く核内に染色されることが確認された。このため小細胞肺がん手術検体から作成したTissue Microarray (TMA)を用いて、CD56、chromogranin A、synaptophysinの染色と比較したところ、陽性率は上記3つのマーカーと比較し明らかにSKP2で高値であった。本年度はさらに近年診断に使用されているINSM1との比較を行い、同等の感度特異度が得られることが明らかになった。またサイズの小さな生検検体で検討したところ、微小検体においても手術検体と同様に染色されることが明らかになり、新規の診断マーカーとしての可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に対して研究を進め、本年度は細胞死と細胞老化誘導にRB1の関与が示唆される結果が得られた。更に臨床検体を用いてSKPの発現を免疫組織染色により確認したところ、近年小細胞肺がんの診断に有用であることが明らかになったINSM1と比較しても同程度の感度が得られることが明らかになった。これらの結果から計画に則り研究は進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
①②③ 小細胞肺がん細胞株を用いてSKP2/CSK1Bのノックダウンまたはinhibitorを使用し、細胞死または細胞老化が誘導されるか検討したところ、細胞老化が誘導される細胞株と細胞死が誘導される細胞株が存在することが明らかとなった。細胞死と細胞老化はRB1の変異の有無が重要であることが示唆されており、このメカニズムにどのような因子が関与しているのか検討していく。 ④ 小細胞肺がん、ならびに非小細胞肺がんのtissue microarrayを用いて、SKP2は日常臨床で使用されている神経マーカーであるSynaptophysin、Chromogranin A、CD56と比較して感度、特異度が明らかに高い傾向であった。また近年新規の小細胞肺がんの診断マーカーとしてINMS1の有用性が報告されているが、このIMNS1とSKP2の感度、特異度は同程度であり、実際の臨床で使用可能か検討する。
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