研究課題/領域番号 |
20H03545
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐々木 拓哉 東北大学, 薬学研究科, 教授 (70741031)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 海馬 / 記憶 / 学習 / 神経同期活動 / 場所細胞 / スパイク列 / 空間課題 / 同期活動 / シータ波 / オンライン操作 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬は、記憶や学習に重要な脳領域であり、神経活動に関する多くの知見が得られてきた。しかし従来の研究は、計測のみに基づいた相関解析がほとんである。本研究では因果的な実証を目指し、ラット海馬の神経活動をリアルタイムで検出し、同時に海馬にフィードバック刺激を加えることで、その活動のみを時間選択的に攪乱させる。動物には複数の選択肢と解が用意されているような迷路課題を解かせ、オンライン操作法を適用することで、予測や意思決定、学習・記憶などの脳機能がいかに変化するか検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、運動中の記憶獲得時における場所細胞の表象パターンと、報酬を得ている間の同期的な神経細胞集団の発火活動という2つの神経スパイクパターンが、新しい経験後の同期的な再活性化パターンにどのように組み込まれるかを解析した。新たに開発したクローズドループ系を用いた電気的刺激により、神経同期活動を選択的に妨害した。この実験系を用いて、解析を行ったところ、新しい経験における空間的選択性に加えて、報酬時に生じるような同期的な神経活動が、その後の休憩時における同期的な再活性化パターンの形成に重要な役割を担うことを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳においては、新しい経験を学習することで、神経細胞集団の協調的な活動パターンが多様な形で再構成され、個々の細胞自体の興奮性や細胞間の機能的結合に変化が生じる。本研究では、特に記憶に重要であると考えられる海馬において、環境を経験した後の休息や睡眠時などに、神経細胞集団の同期的な再活性化のパターンが重要な役割を担うことを見出した。社会生活に身近な記憶や学習の新たな神経メカニズムを解明したという点で、重要な意義をもつ研究成果であり、また睡眠や休憩時の脳の活動の重要性にもあらためて焦点を当てる契機となる。
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