研究課題/領域番号 |
20H03551
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 (2021-2022) 北海道大学 (2020) |
研究代表者 |
野村 洋 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (10549603)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 記憶・学習 / 脳・神経 / 記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症患者は過去の記憶を思い出せなくなるが、記憶を回復させる治療法は確立していない。これまでにヒスタミンH3受容体逆アゴニストが、忘れた記憶の想起を回復させることをマウス・ヒトで発見した。しかしどのような神経活動によって想起が回復するかは不明である。そこで本研究では、ヒスタミン神経の活動と記憶想起の関係を解明すると共に、想起が回復する際にヒスタミンが放出される嗅周皮質のどのような神経活動が想起回復に関わるか解明する。本研究は想起回復に関わる神経活動を解明し、記憶障害治療ターゲットの開発に貢献する。
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研究成果の概要 |
想起障害は認知症の主要な症状の一つだが、想起障害を回復させる治療法は確立していない。私たちはヒスタミンH3受容体拮抗薬によって、忘れた記憶の想起が回復することを明らかにしてきたが、メカニズムの解明は不十分だった。そこで本研究では、ヒスタミンH3受容体拮抗薬が大脳皮質の神経活動をどのように調節するかを調べた。その結果、ヒスタミンH3受容体拮抗薬ピトリサント投与によって嗅周皮質の一部の神経細胞の活動が大きく上昇し、これら細胞間では同期活動が増加していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
記憶の想起障害は認知症を始めとした認知機能障害において重要な症状の1つだが、障害を回復させる治療法は確立していない。治療法の確立には、想起障害が回復するときの神経メカニズムを解明し、そのメカニズムを効率よく活性化・促進することが望ましい。本研究によって、想起障害の回復作用を有するヒスタミンH3受容体拮抗薬投与によって、嗅周皮質の神経活動の変化が明らかになった。今後は、こうした変化を効率よく誘導する方法を見出すことで、より良い治療法の開発に貢献できると考えられる。
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