研究課題/領域番号 |
20H03558
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
角家 健 北海道大学, 医学研究院, 特任准教授 (30374276)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 神経前駆細胞 / 形態形成因子 / 脊髄損傷 / 神経前駆細胞移植 / 移植 |
研究開始時の研究の概要 |
神経前駆細胞移植によって、脊髄損傷部を新しい神経組織で充たすことが可能になったが、正常組織と異なり、移植組織内の神経細胞の位置は全くの無秩序である。しかし、未だ、移植神経細胞の位置を制御する方法は開発されていない。発生期では、神経前駆細胞がモルフォゲンの濃度勾配を位置情報として利用することで、脊髄組織の構成にパターンを形成する。そこで、本研究は、モルフォゲンの濃度勾配を利用して、移植神経細胞のパターン形成を試みる。
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研究成果の概要 |
5種類のモルフォゲンを分泌する同系マウス由来の線維芽細胞を作成し、マウス頚髄背側部に移植することで、モルフォゲンの濃度勾配を作成した。続いて、頚髄の背側部分損傷を作成し、損傷部にマウス胚性脊髄由来の神経前駆細胞を移植した。移植、損傷後2週で灌流固定し、神経細胞特異的転写因子に対する免疫染色によって、移植神経細胞のパターン形成を評価したところ、神経細胞の位置に変化を生じていなかった。このことは、成体損傷部の環境では、神経前駆細胞はモルフォゲンに対する感受性を持たないか、複数のモルフォゲンの濃度勾配が必要であることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新規に作成した神経組織の環境に液性因子の濃度勾配を作成可能であることを確立した。神経細胞のパターン形成だけでなく、伸長軸索の誘導、反発、宿主からの細胞浸潤の制御など、細胞移植、および、新規に神経組織を作成する研究に応用可能な手法が確立された。また、複数のモルフォゲンの濃度勾配を作成することで、神経細胞の位置パターンを制御できた場合、至適な神経組織作成に関する方法論が、概念的かつ技術的に大きく前進することになる。
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