研究課題/領域番号 |
20H03560
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新妻 邦泰 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10643330)
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研究分担者 |
冨永 悌二 東北大学, 大学病院, 教授 (00217548)
Rashad Sherif 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00824088)
坂田 洋之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80722305)
伊藤 明 東北大学, 大学病院, 助教 (90867863)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | Muse細胞 / 幹細胞 / 認知症 / 細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢に伴う認知症患者の急増は、患者と家族の生活の質の低下、医療費や介護費用などの増加を招き、大きな社会問題である。現状では認知症には根本的治療はないが、細胞治療は今までの治療法とは一線を画する治療になると考えられ、その発展が期待されている。 Muse細胞は、生体に存在する自然の多能性幹細胞であり、安全性と組織修復性を両立している有望な細胞である。 本研究では、Muse細胞を用いた認知症の細胞治療を開発するため、臨床応用の前段階として細胞や動物を用いた検証を行う。 認知症へのMuse細胞治療が確立すれば、要介護者の減少、患者や家族の生活の質の向上、医療費削減等、大きな社会的波及効果が生じる。
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研究成果の概要 |
本邦では高齢化と共に認知症患者が急増し、患者および家族の生活の質の低下や医療・介護費用などの点が社会的課題である。しかしながら、認知症に対する根本治療は未だ存在しない。Muse細胞は生体に存在する自然の多能性幹細胞であり、安全性と組織修復性を両立していると考えられる細胞であり、これを用いて認知症を治療できる可能性を着想した。ラットに両側頚動脈閉塞を負荷する血管性認知症モデルを用い、Muse細胞製品による治療効果を検証した。細胞治療群において海馬周辺への細胞生着と神経損傷軽減、認知機能の改善などが確認された。Muse細胞治療が社会的波及効果を有する、有望な認知症治療法となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は過去に脳梗塞や脊髄損傷においてMuse細胞の治療効果を報告してきたが、今回、進行性の疾患である認知症に対する治療効果が示された。メカニズムとしては血管新生やアポトーシス抑制効果などが関与することが示唆されたが、更なる検証が必要である。Muse細胞治療により失われた認知機能を回復させることが出来れば、要介護者の減少、患者及び家族の生活の質の向上、医療費削減等、様々な領域に対する波及効果が得られると考えられ、社会的な意義は極めて大きいものと考えられる。
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