研究課題/領域番号 |
20H03563
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 雄太 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70725085)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 自閉症 / ASD / CHD8 / モデル動物 / Chd8 |
研究開始時の研究の概要 |
コミュニケーション障害や行動の限局性を特徴とする発達障害である自閉症の発症メカニズムを分子レベル・細胞レベルから明らかにし、発症原因に基づいた効果的な治療法の開発を目指す。申請者が作製した信頼性の高い自閉症モデル動物であるCHD8変異マウスを用いて、情動行動との関連が強い脳領域である大脳皮質領域の一細胞遺伝子発現解析をおこなうことによって、自閉症の責任細胞種の同定を目指す。自閉症の発症に関わる責任細胞種の細胞分化や細胞機能に介入することで自閉症の治療法の探索をおこなう。
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研究成果の概要 |
自閉症こと自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)の発症メカニズムを分子レベル・細胞レベルから理解することを目的として、発症メカニズムに基づいた治療法の開発を目指した。小脳顆粒細胞の異常は自閉症の行動異常に関与しないことを明らかにした。また、興奮性神経と抑制性神経の活性のバランスが変化していることが自閉症の原因であることが示唆された。 神経抑制因子のRESTと阻害剤とオリゴデンドロサイトの機能を改善させる薬剤による治療法を検証したが、マウスの症状を改善させる薬剤の発見には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自閉症は発症頻度が1%以上と高いうえに有効な治療法が確立されていないため、大きな医学的・社会的問題を生じている神経発達障害である。そこで発症原因の解明と治療法の開発が急務となっていることから、社会的にも研究成果に期待が大きい研究領域である。本研究ではオリゴデンドロサイトの異常が自閉症の発症原因の1つである一方で、小脳顆粒細胞の異常が社会性行動などの自閉症の主症状には関与しないことを報告した。一部の自閉症患者は運動機能の障害を示すことが知られるが、社会性行動の異常と運動機能の障害は発症メカニズムが異なることが示唆された。この発見は自閉症の理解を深め、治療戦略の開発に寄与すると期待される。
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