研究課題/領域番号 |
20H03566
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
山川 和弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (30241235)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 神経発達症 / てんかん / 電位依存性ナトリウムチャネル / SCN2A / Nav1.2 / 発達障害 / ナトリウムチャネル / 環境との相互作用 / 自閉症 / 環境要因 |
研究開始時の研究の概要 |
ホモfloxed-Scn2aマウスのそれぞれの異常をもたらすと予想される脳部位へのCreリコンビナーゼを組み込んだアデノ随伴ウイルスの打ち込み、局所Scn2aノックアウトマウスなどの行動試験により社会性異常の検出を試みる。行動異常における遺伝要因(SCN2A遺伝子変異)と環境要因(免疫負荷)との相関・相乗効果の解明については、Scn2a+/-マウス仔獣に対してpoly(I:C)の連続投与を行い、それらマウスにおいてスリーチャンバーテスト、複数匹でのオープンフィールドテストなどにより社会性の異常を評価する。
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研究成果の概要 |
SCN1A-GFPトランスジェニックマウスにおいてNav1.2の分布を検討することにより、大脳皮質においてはNav1.2は皮質-線条体、皮質-視床、および皮質-皮質投射細胞に発現し、一方、Nav1.1は錐体路投射細胞と皮質-皮質投射細胞の一部に発現し、両者は相互排他的であることなどを確認した(論文投稿中)。 また、Scn2aホモfloxedマウスの内側前頭前皮質(mPFC)または腹側被蓋野(VTA)にCre発現アデノ随伴ウイルス(AAV-Cre)を注入して行動試験を行い、mPFCにおけるScn2aの欠損は PPIの低下を、VTAにおけるScn2aの欠損はPPIの上昇を示した。(論文投稿中)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SCN2A遺伝子がコードする電位依存性ナトリウムチャネルα2サブユニット(Nav1.2)の複数の変異は自閉スペクトラム症、散発性知的障害、統合失調症など神経発達症の患者で報告されている。本研究では、Nav1.2の脳内における詳細な分布を明らかにするとともに、統合失調症関連脳部位特異的な欠損が行動障害にどのように寄与しているのかを詳細に解析することで、SCN2A変異を有する患者の疾患発症に関与する神経回路・発症メカニズムを検討した。これらの結果はSCN2A変異による神経発達症の発症機構解明、治療法開発に大きく役立つものである。
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