研究課題/領域番号 |
20H03576
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
樂木 宏実 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20252679)
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研究分担者 |
山本 浩一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00528424)
神出 計 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80393239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 必須アミノ酸 / ACE2 / フレイル / トリプトファン / 老化 / サルコペニア / 骨格筋 / 小腸 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内で合成できない必須アミノ酸のトリプトファン(Trp)は体内で代謝される過程で老化に関与する多くの物質の原料となる。我々はTrpが腸管で吸収される際に重要な働きをするアンジオテンシン変換酵素2 (ACE2)が全身で欠損したマウスでは、若くから老化がおこることを見出した。本研究はTrpを原料として産生される物質が全体として老化に及ぼす影響を、ACE2を遺伝子操作したマウスなどを用いて検討する。また、ヒトの臨床研究の測定データとTrp代謝産物の血液中濃度との関連を検証する。最終的にはTrp補充がヒトの老化進行を抑制するか確認する臨床研究を行い高齢者の健康寿命の延伸につなげていきたい。
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研究実績の概要 |
我々は小腸に発現し必須アミノ酸のトリプトファン(Trp)の吸収に関与するAngiotensin converting enzyme 2(ACE2)に着目した研究を行ってきており、ACE2欠損マウスでは早期老化と老化促進の形質(筋力低下、筋量減少、皮下脂肪委縮)を認めることを明らかにしてきた。本研究はTrp代謝が老化に及ぼす影響を、ACE2を介するアミノ酸吸収機構の観点で基礎的に研究することと、ヒトを用いた観察研究でTrp代謝産物と老化の関連を明らかにすることを目的としている。研究計画は1.腸管上皮特異的ACE2欠損マウスにおける老化関連形質を検証する研究、2.老化関連遺伝子p16欠損マウスを用いたACE2によるTrp吸収機構が老化に及ぼすメカニズムを検証する研究、3.疫学研究(SONIC)参加者を対象にTrp代謝機構と老化の関連を解明する研究で構成されている。1.に関しては腸管特異的ACE2欠損マウス(ACE2-LOXP-Villin-cre)とコントロールマウス(AC2-LOXP)を胚移植により作成し、24か月齢まで飼育する群と短期で検討を終える群を確保した。現在、最初に作成した群に関しては6ヵ月齢までの筋力測定を行っている。2.に関しては15か月齢まで握力測定を行って、ACE2KO-p16欠損マウスとp16欠損マウス間に握力差がないことを確認している。15か月齢時の組織を用いて解析を行っている。3.に関してはtryptophanとKynurenineの血漿中濃度をHPLCサンプルで測定する予定であったが、Kynurenineの測定系が確立できずELISA法で施行予定である。また、対象となるSONIC研究の調査を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画1に関しては、腸管上皮特異的ACE2欠損マウスの作成に遅延が生じていたが、現在計画の遂行に必要なマウスは確保している。3に関しては測定系の確立に問題が生じたが、ELISA法による代替手段は確保できている。
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今後の研究の推進方策 |
計画1に関しては本実験を開始しており、継続する予定である。計画2に関しては解析を進め、結果をまとめる予定である。計画3に関しては既に血漿サンプルは凍結保存されている状況である。tryptophanとKynurenineの血漿中濃度測定を行い、臨床データと合わせて解析を行う予定である。
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