研究課題/領域番号 |
20H03579
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相原 正宗 九州大学, 医学研究院, 講師 (30748843)
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研究分担者 |
後藤 恭宏 九州大学, 医学研究院, 助教 (20558358)
松島 雄一 大阪大学, 大学院理学研究科, 招へい教員 (20571342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / 細菌 / 宿主内ゲノム進化 / ゲノミクス / 抗菌薬 / ゲノム / ゲノム進化 / 全ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
近年、医療現場で用いられている抗菌薬に対し抵抗性を示す薬剤耐性菌がヒトの健康を脅かす存在として認知されつつあります。抗菌薬を適切に使用することで薬剤耐性菌の発生を抑制する試みが行われていますが、ヒトの体内でどのような過程を経て薬剤耐性菌が発生するのか未だ不明な点は多く、薬剤耐性菌発生の抑制に細菌の情報が十分活用されていない現状にあります。私たちは本研究を通じヒトの体内で抗菌薬に感受性を示す細菌が時間経過とともに薬剤耐性菌へと進化する過程を詳細に解析することで、薬剤耐性菌発生の抑制に寄与する因子の探索を行います。
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研究成果の概要 |
新たな薬剤耐性細菌は抗菌薬投与中の患者体内などストレス環境下で発生していると推測されるが、生体内におけるその進化過程については未だ謎が多く残されている。本研究ではまず、抗菌薬投与中の患者体内で時を追うごとに薬剤耐性を強化させた臨床分離細菌の全ゲノム配列を構築し、これに診療情報を付与することで細菌の宿主内ゲノム進化のトレーサビリティに特化した小規模データベースを構築した。これを基に症例間の相互比較を行い、1)グローバル転写因子の活性化と2)遺伝子(ゲノム)増幅につながるゲノム変化が共通因子として認められ、したがって、これらの機能抑制が薬剤耐性細菌の新規発生阻止に寄与する可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
薬剤耐性細菌の蔓延は治療選択や感染管理など医療現場のさまざまな面において既に困難を引き起こしており、国境を越えた薬剤耐性対策は公衆衛生における喫緊の課題に位置付けられている。抗菌薬は現在の医療において不可欠であるが、その使用は患者体内での薬剤耐性菌発生リスクを高めるというジレンマが常に付きまとう。本研究は、細菌がどのようなプロセスを経て患者体内で薬剤耐性を獲得・強化するかを明らかにすることを目的として行われた研究であり、その研究成果は今後、医療行為と細菌の両視点からより適切な薬剤耐性対策を模索するための基盤となることが期待される。
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