研究課題
基盤研究(B)
motile cilia(運動繊毛)関連の遺伝子群が,日本人の水頭症・認知症のリスク因子であるかを,臨床検体を用いて検証する。同時にモデルマウスを解析することによって,医療に役立つ水頭症の病態生理を明らかにし,シャント術有効例・無効例の事前予測因子の取得,水頭症発症のリスク予測,を目標とする。
CFAP43遺伝子ノックアウトマウスの上衣細胞をマイクロダイセクション法によって集め,cDNAライブラリー合成後に次世代型シークエンサーを使った発現解析を実施した。発現量変化遺伝子を用いたオントロジー解析により,神経発生関連の遺伝子群の発現変化が認められた。正常圧水頭症患者の線毛構成遺伝子96個変異解析では,DRC1遺伝子をはじめ,一般集団での minor allele frequency <0.01のtruncation型の変異を5個の遺伝子に認め,ミスセンス変異を19遺伝子に認めた。
線毛関連遺伝子の変異は,水頭症発生に関与することが明確に示された。上衣細胞の機能異常は神経分化関連の遺伝子群に集中し,線毛の構造異常から分化異常に至り機能不全に陥っていることが示唆された。ただし,その詳細は今後の研究を待たざるをえない。線毛関連遺伝子の変異が,正常圧水頭症患者に多く見つかっていることは,正常圧水頭症・水頭症・認知症患者の一部が,線毛関連遺伝子異常症であることを明確に示唆しており,成人あるいは初老期に発症する遺伝病であることを世に知らしめた意義は大きい。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
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