研究課題/領域番号 |
20H03595
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中村 和彦 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80263911)
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研究分担者 |
上野 伸哉 弘前大学, 医学研究科, 教授 (00312158)
斉藤 まなぶ 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (40568846)
古川 智範 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60402369)
下山 修司 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60736370)
坂本 由唯 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60770386)
足立 匡基 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (50637329)
高橋 芳雄 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70760891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 神経発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 注意欠如・多動性障害 / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
①5歳児発達健診で神経発達障害の診断のついた約650名の5歳児を対象。1)ASD診断ツール、ADHD診断ツール、DCD診断ツールなどの各種ツールのデータ、2)メタボローム解析データ、エクソーム解析データ。これらのデータの変量解析を行い、新しい疾患概念の構築の可能性を明らかにする。 ②約650名のデータと小学生1年生から6年生、中学生1年生から3年生の子どものこころのサポート調査の2014年から2019年の臨床データをリンクし、継時的な変化を解析し、神経発達障害から問題行動、各種精神疾患が発症しやすい脆弱性、予測因子を明らかにする。
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研究実績の概要 |
対象は2次発達健診で神経発達障害群の診断がついた5歳児約650名の血漿である。その中から自閉症(ASD)54人(男児36人、女児18人)、注意欠如・多動性障害(ADHD)50人(男児31人、女児19人)、ASDとADHDの合併例64人(男児44人、女児20人)、健常児(TD)66人(男児41人、女児25人)を選択し、質量分析器 (SCIEX社、QTRAP6500)を用い、血漿中のメタボローム解析を行った。AbsoluteIDQ p180Kit メタボライト測定キット (Biocrates)を使用した。このキットは重要な代謝物の定量的な解析が可能である。5つの化合物クラスに属する186種類の代謝物を定量化した。1.アシルカルニチン(37個);生物学上のパスウェイはエネルギー代謝、酸化ストレスなど、2.アミノ酸(21個)、3.生体アミン(21個);神経傷害など、4.各種ヘキソース;炭水化物の代謝、5.リン脂質及びスフィンゴ脂質(ホスファチジルコリン:76個;脂肪酸プロファイルなど、リゾホスファチジルコリン:13個;脂肪酸プロファイルなど、スフィンゴミエリン:15個;シグナルカスケード)。結果は、ASD対TDでカットオフ値を2.0にしたところ、Aアミノ酸が有意差を示した。Bアミノ酸はROC curveから感度は65.2%、特異度は77.8%であった。ADHD対TDではC生体アミンがカットオフ値が4.0で有意差を示した。D脂肪酸はROC curveから感度は72.7%、特異度は74.0%であった。ASDとADHDの合併対TDでは4種類の因子でカットオフ2.0で有意差を示した。その中で、Eアミノ酸がROC curveから感度は80.3%、特異度は78.1%であった。このようにASD,ADHDの診断マーカーもしくは病態解明につながる因子がいくつか明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種発達障害の血清における質量分析は順調に進んだ。次にパスウェイ解析などを行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
質量分析において解析を進めていく上で、膨大なデータを得ることができた。これらを解析するためには、機械学習などさらに高度な統計解析が必要なことが明らかになった。それらの解析に詳しい研究者と共同で、さらに詳細な解析を行っていく予定である。
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