研究課題/領域番号 |
20H03603
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岡本 泰昌 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70314763)
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研究分担者 |
岡田 剛 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (10457286)
淵上 学 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (40403571)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | うつ病 / 幼少期ストレス / fMRI / うつ病モデルラット / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト臨床研究では、健常人およびうつ病患者を幼少期ストレスの高低で分け、安静時fMRIを用いて全脳の領域間の神経活動パターンの比較解明を行う。加えて、幼少期の不遇な体験を経たうつ病に特徴的な異常な脳活動パターンを標的とした反復性経頭蓋磁気刺激法による刺激を行い、脳活動パターンの健常化による検証を行う。モデル動物研究では、幼少期ストレス負荷の有無とうつ病モデルを組み合わせ、マルチ電極を用いて幼少期ストレス後のうつ状態の詳細な電気生理学的検討を行い、神経回路の精緻なメカニズムを解明する。また、モデル動物において明らかになった回路の神経活動操作によるうつ様行動の改善効果を検討する。
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研究成果の概要 |
ヒト研究では、うつ病患者において、幼少時に受けた虐待やトラウマと左背外側前頭前野の安静時脳活動負の相関を示し、幼少期に罰せられた体験が多いほど成人後の左淡蒼球-右淡蒼球の機能的結合が低下していることを明らかにした。 動物研究では幼少期ストレスが腹側淡蒼球の興奮性神経細胞を減少させ、成長後のうつ病発症脆弱性を高めることを見出した。また、不適切な養育によるストレス反応性を回復させると報告されている環境エンリッチメントはうつ病発症脆弱性を低下させたが、その機序に腹側淡蒼球の興奮性神経細胞数とは異なる機序が存在することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト臨床研究では、うつ病の中でも幼少期の不遇な体験を経た群に特有の異常な脳活動パターンを抽出した。また、淡蒼球と関連した脳機能的結合の機能的意義をヒトfMRI研究で明らかにした。 モデル動物研究では、幼少期ストレス後のうつ病モデルラットの腹側淡蒼球において興奮性神経細胞の減少という神経回路の構造異常を見出し、成長後のうつ病発症脆弱性をもたらすことを明らかにした。更に、この脆弱性の形成と回復には異なる機序が存在することを示した。
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