研究課題/領域番号 |
20H03617
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
松下 昌之助 筑波技術大学, その他部局等, 名誉教授 (70359579)
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研究分担者 |
松下 訓 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20407315)
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
塚田 亨 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (20866850)
酒井 俊 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30282362)
平松 祐司 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30302417)
徳永 千穂 埼玉医科大学, 心臓血管外科, 教授 (30451701)
坂本 裕昭 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30611115)
兵藤 一行 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, シニアフェロー (60201729)
三好 浩稔 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70292547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 放射光 / 血管造影 / 腎臓 / 冠動脈 / 腫瘍内血管 / 敗血症 / 糸球体 / 細動脈 / 腎動脈 / 血管造影法 / 微小循環 / 腎糸球体 / 癌新生血管 / 高分解能 / 微小血管 / 微小塞栓 |
研究開始時の研究の概要 |
放射光血管造影法の受像体に高空間分解能・高濃度分解能・高時間分解能を併せ持つ受像体を導入し、いままでより精密な微小循環画像から形態のみならず、流速、造影剤漏出率などの機能情報を加えた解析を行う。3年間で対象となる領域は、①腎臓の糸球体と細動脈の形態、機能評価、②敗血症性ショック時の骨格筋微小循環、③癌の新生血管の血管評価から得られる個別の癌の特徴、④心筋虚血-再灌流不全(no reflow phenomenon)の視認、⑤肺血管性肺高血圧の早期発見、である。微小血管の可視化による病態の機能評価という新しいコンセプトを検証する。その結果は、新規画像機器の開発に際し、重要なヒントとなることが期待される。
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研究成果の概要 |
技術的観点:①高性能受像体の導入により高い空間分解能(5.5μm)と大きな濃度分解能(1:15000)を得た。②放射光線源の改善(白色放射光と非対称Si結晶+多層膜の蒸着)によりX 線強度(1.3倍)とビーム幅(2.7倍)が増加した。 各病態の検討:①腎動脈造影:ラット腎臓のすべての血管系(腎動脈~糸球体輸入細動脈(35μm))と個別の糸球体を描出できた。個別の糸球体の造影剤の充満状況が再現性をもって計測できた。②冠動脈造影:ラット心臓の微小冠動脈(25μm)が描出でき、微小血栓の検出を行った。③腫瘍内血管造影:腫瘍塊内に腫瘍内血管の集簇を認め、腫瘍の微小血管密度を計測できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射光を用いた微小血管造影では、心臓、腎臓においてそれぞれ25μm、35μmまでの血管が可視化できた。心臓の冠微小循環の可視化は、未だ理解が不十分である微小循環障害や微小血栓の診断と病態解明に役立つ。また、腎臓における1糸球体とその輸入細動脈の可視化は、腎臓の糸球体病変を1糸球体のレベルから解釈し直すことを可能とする。臨床応用に向かえば、新しい診断ツールとなることが期待される。また、腫瘍内血管の微小血管密度(MVD)は悪性度と転移性に関連しているとされる。MVDの検出は腫瘍の非侵襲的悪性度の検出に応用できる。
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