研究課題/領域番号 |
20H03628
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
河合 辰哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70597822)
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研究分担者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 高等研究院, 准教授 (10380693)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 腫瘍内代謝 / Hypoxia / 13C-MRI / 代謝イメージング / 放射線応答 / 分子イメージング / 放射線治療 / 放射線 / 低酸素 / グリオーマ / 糖代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線治療において腫瘍内低酸素領域の存在は重要である.治療中の腫瘍内酸素化状態および関連する代謝環境を経時的に検出し,これに基づいた治療プロトコールを開発することで,より効果の高い放射線治療が可能となる.本研究では,脳腫瘍モデルマウスを用い,EPRI(electron paramagnetic resonance imaging)およびDNP(dynamic nuclear polarization)技術を併用した超偏極MRIにより酸素/代謝を解析,放射線治療中の腫瘍内微小環境を解明し,これに立脚したmetabolism-targeted radiotherapyの確立を目指す.
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研究成果の概要 |
(1)13C-MRI解析により示された放射線照射による脳腫瘍中の一過性乳酸/ピルビン酸比の上昇について免疫学的検証を行い、6Gy照射6-16時間後に組織中LDHA発現が最大20%上昇し、24時間後に照射前のレベルまで回復することが示された。 (2)皮下移植モデルを用いたEPRI画像の解析を継続し、3Gy-20Gy照射後6時間から24時間後に低酸素領域の拡大とともに、数分のサイクルで変動する酸素化状態(cycling hypoxia)の存在が確認された。 腫瘍内pHの低下および低酸素状態と放射線抵抗性の間には密接な関連が知られており、上記の結果は脳腫瘍の放射線治療計画で考慮すべき現象と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腫瘍内pHの低下および低酸素状態と放射線抵抗性の間には密接な関連が知られている。本研究により、放射線照射前の腫瘍の状態だけでなく、放射線照射後の一過性に生じる腫瘍組織内のpHや低酸素状態が放射線治療の効果に影響を与える可能性が示唆された。この現象は放射線治療の抵抗因子の一つとなり得るが、逆にこれをうまく利用し、照射のタイミングや線量を精密にコントロールすることで治療効果を高めることも可能であると考えられる。したがって、分子イメージングを用いて腫瘍内代謝の変化をモニタリングすることにより、効果の高い放射線治療計画の開発、併用することで治療効果を高めるための代謝制御薬の創出につながると期待される。
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