研究課題/領域番号 |
20H03629
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
小野寺 敏幸 東北工業大学, 工学部, 准教授 (10620916)
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研究分担者 |
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | TlBr / SPECT / 核医学 / ガンマ線検出器 / 臭化タリウム / TlBr / 臭化タリウム(TlBr) / ガンマカメラ |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー型認知症や心疾患の早期発見と予防にとって単一光子断層撮影(SPECT)を用いた生体機能診断は高齢者人口の増大に直面する日本にとって欠かせない先端医療技術である。本研究で採用する新規半導体である臭化タリウム(TlBr)は、物性的特長から従来の装置では乗り越えられない圧倒的なガンマ線検出感度と高解像度化が実現可能である。本応募では、TlBrの育成に新規に高温高圧成形技術を導入することで診断薬核種のエネルギー弁別に必要な検出器性能と更なる低コスト化を両立するSPECTに特化したTlBrガンマ線検出器を実現することで将来に亘る日本の最先端医療技術の普及に役割を果たす。
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研究成果の概要 |
ガンマ線検出器に用いるプレート状TlBr結晶としてプレス成型技術の検討を進めた。プレス成型は、結晶性の低下が懸念されたが、一部の領域(面内および深さ方向)には配向性が高いTlBr結晶が含まれることが分かった。約2mmの厚さを持つTlBr結晶を用いて製作したピクセル型ガンマ線検出器は、ガンマ線に対して明確な応答を示した。光電ピークは得られなかったが、エネルギー弁別を要求しないX線イメージング検出器等への応用は期待できる。また、本検討で完全に解決できなかったプレス時に生じるTlBr結晶とパンチプレートとの固着を克服することで大面積を要求するガンマカメラ用TlBr結晶の製造方法として期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TlBrは、ガンマ線のエネルギー弁別に優れる半導体の特長と高原子番号、高密度に由来する高い検出感度を併せ持つ新規の半導体材料である。本研究は、半導体材料として稀となるTlBrの可塑性の注目した新たな結晶製造技術の開発であった。本研究で試作したTlBr結晶は、ガンマ線検出器として十分な品質に及ばなかったが、X線イメージング等の応用など新たな展開先も見出すことができた。本研究で明らかとしたTlBrの品質を低下させる要因の解決を集中的に実行することでTlBrの特長を引き出し、当初の目標と設定した先端医療分野への応用に繋がると考えられる。
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