研究課題/領域番号 |
20H03630
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
畑 純一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00568868)
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研究分担者 |
宮部 貴子 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 助教 (10437288)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | MRI / 麻酔 / 脳活動 / 霊長類 / ネットワーク / 安静時脳機能MRI / 超高磁場MRI / コモンマーモセット / パルスシーケンス / 脳機能ネットワーク / グラフ理論 / 意識 / 脳機能 / 超高磁場 / 安静時fMRI / 脳ネットワーク / コモンマーモセットマーモセット / マーモセット |
研究開始時の研究の概要 |
脳科学では技術の進歩により「意識」は脳内のネットワークで理解するという考え方が広まってきている。麻酔・鎮静薬はこの意識を強制的に奪う。これまで多彩な麻酔・鎮静薬が開発され、細胞レベルでの作用機序は明らかにされているが、未だいかにして「無意識」を創出するのか詳細は不明である。本研究では脳活動状況を計測可能とする安静時脳機能MRI法(resting state - functional Magnetic Resonance Imaging; rs-fMRI) 法を用いることで、作用機序の異なる麻酔・鎮静薬による脳領域間の活動ネットワークの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
麻酔・鎮静薬はこの意識を強制的に奪う。これまで多彩な麻酔・鎮静薬が開発され、細胞レベルでの作用機序は明らかにされているが、未だいかにして「無意識」を創出するのか詳細は不明である。この理由として脳内ネットワークに対する作用が未解明であることが挙げられる。これに対し本研究では脳機能イメージングとして脳活動の状況を計測することが可能である安静時脳機能MRI法(resting state - functional Magnetic Resonance Imaging; rs-fMRI) 法を用いることで、作用機序の異なる麻酔・鎮静薬による脳領域間の活動ネットワークを全脳領域間にて解析し、いかにして「無意識」を創出するのかを解明する。またヒトでは使用可能な薬剤に限りがあるため、薬物動態や脳機能がヒトと類似している非ヒト霊長類コモンマーモセットを対象とすることで解明を目指す。 当研究課題では、(1)超高磁場MRIによるrsfMRI実験、(2)麻酔薬を用いた実験、(3) ネットワーク解析の3段構成で研究を進めることで麻酔薬の影響を見出していく。これまで(1) 超高磁場MRIによるrsfMRI実験として、超高磁場MRIによる研究環境を当施設に実装完了と多チャンネルコイルの開発を達成した。また、(2)麻酔薬を用いた実験として、動物処置や頭蓋骨の手術手技を確立させた。(3)開発した覚醒下での実験環境に合わせてコモンマーモセットの脳活動計測を試みた。本年度は、得られた実験データと解析環境を用いて麻酔薬理に関する、脳活動自体の変化を評価し、その知見をまとめることで、麻酔による脳活動の知見を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究課題では、(1)超高磁場MRIによるrsfMRI実験、(2)麻酔薬を用いた実験、(3) ネットワーク解析の3段構成で研究を進めることで麻酔薬の影響を見出していくこれまで、 (1) 超高磁場MRIによるrsfMRI実験として、超高磁場MRIによる研究環境を当施設に実装完了と多チャンネルコイルの開発を達成した。また、(2a)麻酔薬を用いた実験として、動物処置や頭蓋骨の手術手技を確立させた。(2b)開発環境・技術基盤をもとに、これまでに開発した覚醒下での実験環境に合わせて高感度な信号受信を可能とする多チャンネル表面コイルの調整行うことでコモンマーモセットの脳活動計測を試みた。本年度は、得られた安静時の脳活動データ、そして、動物実験にてよく用いられるイソフルランをはじめとし、プロポフォール、メデトミジン、アルファキサンなどの各種麻酔薬を用いた際の脳活動データを取得した。脳活動解析の結果、安静時において脳活動が最も活発であることを実験的に証明し、脳領域ごとに各種麻酔薬が安静時と比べてどのように変化するかを見出した。 本年度は実験、解析、データ公開と、順調に進み本年度予定していた研究段階を計画通り進めることができた。よって、順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
麻酔・鎮静薬はこの意識を強制的に奪う。これまで多彩な麻酔・鎮静薬が開発され、細胞レベルでの作用機序は明らかにされているが、未だいかにして「無意識」を創出するのか詳細は不明である。この理由として脳内ネットワークに対する作用が未解明であることが挙げられる。これに対し本研究では脳機能イメージングとして脳活動の状況を計測することが可能である安静時脳機能MRI法(resting state - functional Magnetic Resonance Imaging; rs-fMRI) 法を用いることで、作用機序の異なる麻酔・鎮静薬による脳領域間の活動ネットワークを全脳領域間にて解析し、いかにして「無意識」を創出するのかを解明する。またヒトでは使用可能な薬剤に限りがあるため、薬物動態や脳機能がヒトと類似している非ヒト霊長類コモンマーモセットを対象とすることで解明を目指す。 当研究課題では、(1)超高磁場MRIによるrsfMRI実験、(2)麻酔薬を用いた実験、(3) ネットワーク解析の3段構成で研究を進めることで麻酔薬の影響を見出していく。昨年度までに、安静時、各種麻酔薬を用いた際におけるresting state fMRIを実施し、数例のコモンマーモセットを対象とし実験データを得ることができた。このMRIデータを解析することで、脳領域ごとの各種麻酔薬による活動量の差異を見いだした。次年度は、ネットワーク解析の導入、そして実験個体数の増加を計画し、安静時と麻酔下での脳活動をネットワークレベルで比較検証するこことで本課題の目的達成を目指す。
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