研究課題/領域番号 |
20H03638
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
水谷 英二 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80443034)
|
研究分担者 |
水野 直彬 東京医科歯科大学, 高等研究院, プロジェクト研究員 (30815642)
山口 智之 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (80392158)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
|
キーワード | 染色体移植 / ES細胞 / キメラマウス / トリソミー / モデル動物 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の出産年齢の上昇により、ダウン症などの染色体異常を原因とした疾患のリスクが高まっている。しかし、染色体異常症は多くの場合が致死や不妊となるためモデル動物作製が困難であり、詳細な解析ができていない。本研究では、マイクロマニピュレーターを用いた染色体移植技術、キメラ作製技術により、ヒト染色体保有細胞およびヒト染色体保有マウスを作製するとともに、染色体導入動物の表現型、導入された染色体の保持率、機能性を解析し新たなヒトトリソミーモデルマウスとしての有用性を評価する。
|
研究成果の概要 |
本研究は哺乳類胚・細胞間での染色体移植技術の開発と新たなヒトトリソミーモデルマウスを作出することを目的に行った。マウス卵子にヒト細胞核を核移植した異種間核移植胚を作製し、H2B-mCherry mRNA注入と試薬処理により卵細胞質内でヒト染色体を可視化し、分散させることに成功した。分散したヒト染色体を単離し、マウス受精卵に注入後培養することでヒト染色体を保有するマウスES細胞株の樹立にも成功した。樹立したES細胞株はマウス受精卵へ注入することでキメラマウス形成能を持ち、これらキメラマウス体内でヒト染色体を保持したまま各組織へ分化していた。本技術は将来の新たなモデル動物作製への応用が期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
染色体を直接操作する手法はこれまでに例がなく、本研究で確立された技術は哺乳類胚の染色体研究、発生工学研究に新たな視点と発展をもたらすものと期待される。染色体を一本丸ごと導入することで既知の染色体異常症の重要な研究ツールとなることに加え、胚性致死などで解析できる材料がない希少な染色体異常症に対する研究サンプルの提供が可能となる。これにより、医学においては言うに及ばす、動物の発生・分化といった基礎生物学上においても重要な知見をもたらすこととなる。また、将来初期胚での特定染色体操作が可能となれば、本邦が直面している少子化問題の一因である高齢出産に伴うトリソミーなどの根本治療法の確立も期待できる。
|