研究課題/領域番号 |
20H03645
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90258418)
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研究分担者 |
永野 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50373139)
三井 薫 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (40324975)
伊地知 暢広 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80380624)
入江 理恵 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 技術職員 (90381178)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 腫瘍溶解性ウイルス / 免疫治療 / がん免疫治療 / 癌 / ウイルス / 遺伝子 / 免疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
先駆的な癌免疫遺伝子治療を開発後、次世代の腫瘍溶解性ウイルス(Oncolytic virus: OV)のプラットフォーム技術のm-CRAベクターを独自開発し、第一弾開発医薬のSurv.m-CRA-1は骨軟部肉腫患者へFirst-in-humanの医師主導治験で高い安全性・治療効果(分野最高性能)を実証した。さらに浸潤・転移癌へGM-CSF発現調節型・Surv.m-CRA-2を開発し、非臨床研究も進めている。本研究ではこれらの成果を基盤に飛躍的に発展させ、「局所投与で全身性抗腫瘍免疫を誘導し、全身の転移・浸潤巣まで制圧」できる革新的な免疫遺伝子・ウイルス治療法の開発を目指し、新治療技術創出の研究を行う。
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研究実績の概要 |
骨軟部肉腫の浸潤・転移巣には未だ有効な治療法が限られ、骨軟部肉腫への革新的治療法の研究開発が切望されている。「がん細胞で特異的にウイルスが増殖し殺傷効果を示す遺伝子組換えウイルス」の腫瘍溶解性ウイルス(Oncolytic virus: OV)は、革新的ながん治療薬有力候補として期待されているが、未だ技術的限界もあり、また骨軟部腫瘍への研究開発は進んでいない。我々は次世代OVを網羅的に作製・解析できるm-CRAベクター作製プラットフォーム技術を独自開発し、第一弾開発医薬のSurv.m-CRA-1は骨軟部肉腫患者へFirst-in-humanの医師主導治験で高い安全性・治療効果を実証した。さらに浸潤・転移癌へGM-CSF発現調節型・Surv.m-CRA-2を開発し、非臨床研究も進めている。 本研究ではこれらの成果を基盤に飛躍的に発展させ、「局所投与で全身性抗腫瘍免疫を誘導し、全身の転移・浸潤巣まで制圧」できる革新的な免疫遺伝子・ウイルス治療法の開発を目指し、以下の研究をおこなってきた。 1) 各種の治療遺伝子を発現する新規Surv.m-CRAの作製と調整 独自開発のm-CRA作製技術で、「Survivin promoterでウイルス増殖制御する」Surv.m-CRAのベクター骨格のP1+3プラスミドに、今回の研究の各種治療遺伝子ユニットのP2プラスミドを融合させて、各種のP1+2+3プラスミドを作製した。P1+2+3プラスミドを293細胞にトランスフェクションを行い、各ウイルスを作製した。それらの各種Surv.m-CRAは、PCR、シークエンス、発現解析等での正しいウイルスが作製できていることを確認し、ウイルス増幅、精製による大量調整をおこなった。 2) 各種Surv.m-CRAのin vitro機能解析を行い、まず癌特異的ウイルス増殖・殺傷の基本特性に変化がないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による影響で輸入量減少による試料の入手が困難(例えば、遺伝子工学の研究材料の受注が遅れる、本実験で使うハムスターが十分に入手できない、など)の理由から、一部の実験が遅れることは止むを得ずあったが、大きな研究項目は上記のように実施・達成している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症による影響で、試料の入手困難は今後も起こることはあるが、実験を工夫することにより、大きな研究目的は達成できるように、効率的に研究を進捗させる。 In vitroの機能解析は、本年度の実施分に加え、ELISAでの目的のタンパク発現量の解析や、免疫学的な機能解析も行う。またいくつかのin vitro機能解析系は新規に樹立する必要もあるため、もし予想通りの結果が得難いなどの理由で、早期に安定した実験系の確立が難しい場合は、in vivoでの治療効果の検証やその動物実験の材料での治療メカニズムの解析を優先していくことも考える。最終的には、当初の目標である革新的な遺伝子ウイルス治療法の開発を達成して、特許出願して、論文発表をする。
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