研究課題/領域番号 |
20H03662
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷内田 真一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20359920)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 大腸癌 / 大腸腫瘍 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦において大腸癌は胃癌を抜いて、最も罹患率の高いがん種となった。これまでに散発性大腸癌における腸内細菌の変動は報告されてきたが(Yachida S, Yamada T et al. Nat Med 2019など)、遺伝性大腸癌と腸内環境の関係はこれまでにほとんど知られていない。本研究により遺伝子改変マウスやヒトの遺伝性大腸癌、特に遺伝性大腸腺腫症を対象にその腸内環境を明らかにする。 本研究手法は腸内細菌の変動が発癌に及ぼす影響を効率的に観察するアプローチとなり、散発性大腸癌の発癌メカニズムの解明にもつながる可能性が期待できる。
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研究成果の概要 |
大腸腺腫症(FAP)患者の未手術者を対象に「凍結便」と「生活習慣などに関するアンケート」を収集した。凍結便を用いてショットガンメタゲノム解析とメタボローム解析を行った。FAP患者と健常者を年齢と性別をマッチさせて、腸内細菌と腸内代謝物質を比較したところ、FAP患者に特徴的な腸内細菌や代謝物質を特定することができた。さらにFAP患者内での個人差をDirichlet multinomial mixtures(DMM)モデリングで分類した。FAPの悪性度(最大腫瘍径、ポリープ数、組織学的悪性度、密生型病変の有無等)と照合したところ、関連するDMMでの一群が特定出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌におけるFirst hitとなる遺伝子異常はAPC遺伝子の変異である。FAP患者はこのAPC遺伝子の生殖細胞系変異を有している。散発性大腸癌の自然史は約20年であることから、大腸癌の原因となる環境因子(腸内細菌など)を特定することは困難である。一方、FAP患者においては発癌までの期間が短いため、FAP患者における腸内環境の変化を解析することで、短期間で効率的に発癌における環境因子の影響を解明することが可能となる。
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