研究課題/領域番号 |
20H03668
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター) |
研究代表者 |
弘津 陽介 地方独立行政法人山梨県立病院機構山梨県立中央病院(がんセンター局ゲノム解析センター), ゲノム解析センター, チーフ研究員 (10793838)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | マイクロサテライト / ミスマッチ修復 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 胃がん / MSI / 免疫染色 / 腫瘍内不均一性 / 免疫チェックポイント / 不均一性 / マイクロサテライト不安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
ミスマッチ修復機能を失った癌は、マイクロサテライト不安定性を示し(MSI-H)、遺伝子異常が急増する。近年、MSI-H癌に対して免疫チェックポイント阻害剤が著効することが示され、MSIは重要なバイオマーカーとして位置付けられている。一方、MSI-H癌の中には、免疫チェックポイント阻害剤に対して耐性を生じることがあるが、その分子機序は十分に解明されていない。本研究では、MSI-high胃癌を対象にし、腫瘍内におけるマイクロサテライト不安定性状態の違い、癌クローンの遺伝子不均一性、腫瘍局所に存在するリンパ球や細菌叢の構成群により、抗腫瘍効果に違いや耐性が生じるか解明することである。
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研究成果の概要 |
319検体でMSI-PCRとIHCを比較した結果、IHC検査とMSI-PCR検査の一致率は98.1%(313/319)であった。不一致の場合には、LCMおよびMSI-NGSを行い、不一致の理由がMSI-PCR結果のあいまいさと腫瘍内のMSI状態の不均一性が原因であった。一部の胃がん症例はMMRが不十分な部分と十分な部分の両方を示す「モザイク」パターンであった。1082追加検体においても「モザイク」パターンを見出した。MMRの不均一な発現パターンは、免疫チェックポイント阻害剤治療の応答に関連する可能性がある。FFPE組織から腫瘍内細菌叢の解析を行う16S rRNA解析法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、免疫チェックポイント阻害剤の適応症例を決定する上で重要な腫瘍におけるミスマッチ修復(MMR)およびMSIの状態の評価をするため、複数の測定法による詳細なデータを提示した。結果より、腫瘍がMMRを十分に発現している部分と欠損している部分の両方を有する腫瘍内不均一性があることが明らかになった。このことは、正確なMMR評価のためには、腫瘍の不均一性を捉える必要性を強調している。この研究は、特にMSI-HまたはMMR欠損固形がん患者における診断、個別化治療の臨床的意思決定に影響を与える可能性がある。
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