研究課題/領域番号 |
20H03683
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
菊地 和 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (10638240)
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研究分担者 |
大谷 健太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50470191)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 心筋再生 / 心筋細胞 / 脱分化 / 増殖 / 転写因子 / ゼブラフィッシュ / マウス / 心不全 / 心臓再生 / 心筋細胞増殖 / 心筋細胞脱分化 |
研究開始時の研究の概要 |
ゼブラフィッシュは成体であっても心筋細胞の増殖能を保持し,損傷により失われた心筋を心筋細胞の脱分化・増殖を介して再生することができる。最近申請者はゼブラフィッシュの成熟心筋細胞において、脱分化・増殖を誘導する転写因子を同定した。予備データから,この転写因子の心筋再生機能は、成体マウスの心臓においても保存されていることが示唆されている。本研究では,この転写因子のエピゲノム機能および標的遺伝子を網羅的に探索・解明し,新規の心筋再生機序を明らかにする。また,マウスモデルを作製し,ゼブラフィッシュにおける機能との比較解析を行い、さらに心不全治療効果を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では転写因子Klf1は遠位エンハンサーに結合し、心筋細胞分化を制御する中心的な転写因子Gata4、Nkx2.5、Mef2の結合領域を閉じることで心筋分化遺伝子群の広範な発現抑制を誘導することを明らかにした。また、Klf1はミトコンドリア代謝を調節することで酸化ストレスを減少させるとともに、細胞周期遺伝子の発現を介して心筋細胞増殖を促進することを明らかにした。さらに、心筋細胞特異的にKlf1を発現するマウス系統を樹立し、成体心臓においてKlf1発現誘導による心筋細胞増殖、顕著な心肥大の誘導を示唆する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者が見出したKlf1経路は既知のHippo-Yap経路やErbb2経路などとは異なる、全く新しい心筋再生誘導機構である。これまで心筋細胞増殖の誘導は主に増殖促進機構の解明を中心に行われてきたが、本研究によりKlf1が心筋細胞の脱分化と代謝リプログラミングにおいても重要な機能を果たすことが明らかとなった。本研究によるKlf1機能の解明は、ヒト心筋細胞を増殖不能から増殖可能状態へと転換する新規医療技術の開発に大きく貢献することが期待される。
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