研究課題/領域番号 |
20H03684
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
杉浦 久敏 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20445092)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 活性硫黄分氏種 / 酸化ストレス / 慢性閉塞性肺疾患 / 組織障害 / 間質性肺炎 / 活性硫黄分子種 / 組織保護 / 組織傷害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎(IP)といった難治性呼吸器疾患動物モデルを作成し、新規に発見した活性硫黄分子種(RSS)の役割を明らかにするために産生酵素であるCARS2遺伝子欠損マウスやRSS供与体を用いて、病態に及ぼす作用を個体レベルで明らかにすることである。またCOPD患者の肺組織・細胞及び喀痰を採取し、肺細胞内外におけるCARS2の発現やRSS含有量を測定する。大規模COPD患者コホートを用いて、RSSの気道における産生量と臨床病態(呼吸機能や身体活動性の経年低下、増悪回数)との関連を前向き研究で明らかにする。
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研究成果の概要 |
難治性呼吸器疾患における活性硫黄分子種(RSS)の役割を解明した。 RSSの産生酵素であるCARS2の遺伝子ヘテロ欠損マウスではエラスターゼやタバコ煙抽出物による肺気腫病変の悪化を認め、酸化・ニトロ化ストレス、炎症性サイトカイン/ケモカイン、蛋白分解酵素の発現が有意に増加した。RSS供与体投与で気腫性変化が抑制され、in vitroでの肺構築細胞においては炎症性サイトカイン産生抑制、酸化ストレス軽減及び細胞老化抑制に重要であった。COPD由来の肺構築細胞ではCARS2の発現が低下し呼吸機能と関連した。ブレオマイシンを用いた肺線維症モデルのCARS2欠損マウスでは線維化病変の悪化が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
COPDをはじめとする難治性呼吸器疾患の病態は不明な点が多く、肺の抗酸化分子の観点からの研究は少ない。我々は肺における活性硫黄分子種(reactive sulfur species: RSS)の存在を明らかにした。RSSの産生酵素であるCARS2のヘテロ欠損マウスを作成し、このマウスを元にCOPDモデル及び肺線維症モデルマウスを作成し検討したところ野生型と比較して欠損マウスでは各疾患モデルの病態の悪化が認められた。さらにCOPD患者由来の肺組織、肺細胞ではCARS2の発現が低下し、肺の呼吸機能とも関連することを明らかにした。以上より難治性呼吸器疾患の病態改善に寄与する可能性が示唆された。
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