研究課題/領域番号 |
20H03702
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥山 隆平 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80292332)
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研究分担者 |
藤堂 具紀 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80272566)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | がん治療用ウイルス / 悪性黒色腫 / IL-12 / ウイルス免疫療法 / 単純ヘルペスウイルス / 機能付加型ウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルス療法は、がん細胞特異的な複製を可能にしたウイルスを感染させ、ウイルスの直接的な殺細胞作用によりがん細胞を破壊するとともに、がん細胞内でウイルスが複製し免疫に排除される過程で特異的腫瘍免疫を惹起することで、がんワクチンとしても作用する。私たちは悪性黒色腫を対象として、IL-12遺伝子を組み込んだ世界最先端のがん治療用ウイルスT-hIL12の臨床試験を進めている。本研究では、T-hIL12を投与した腫瘍や末梢血から単離したリンパ球等を用いて、腫瘍局所ならびに全身の免疫状態の変化を明らかにし、治療効果との関連を検討する。
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研究成果の概要 |
私たちは悪性黒色腫に、IL-12を組み込んだ第三世代がん治療用ウイルスT-hIL12の医師主導治験を進めている。本研究では、T-hIL12の作用メカニズムを明らかにするため、腫瘍組織や末梢血等の検体を対象にして解析を進めた。 腫瘍局所とともに全身的なレベルでの抗腫瘍活性の変化を解析し、サイトカイン量、リンパ球等の表面抗原の発現、T細胞受容体レパトアの多様性、遺伝子発現パターンなどの解析を進めた。T-hIL12の投与によって、T細胞受容体のレパトアの多様性に変化が生じる傾向が見られた。また、腫瘍組織を用いて腫瘍局所での変化を解析し、腫瘍免疫の誘導が引き起こされることが示唆される結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス免疫療法は、がん細胞特異的な複製を可能にしたウイルスを感染させ、ウイルスの殺細胞作用によりがん細胞を破壊する。さらに、がん細胞内でウイルスが複製し免疫に排除される過程で特異的腫瘍免疫を惹起することで、がんワクチンとしても作用する。私たちは、IL-12を組み込んだがん治療用ウイルスT-hIL12の臨床試験を進めているが、その作用メカニズムは十分に明らかになっていない。今回、T-hIL12の投与によって腫瘍免疫誘導が促進することを示す結果が得られた。今後、悪性黒色腫等の固形がんに対して用いる際、がん治療用ウイルスをどのように使用するのがベストか検討する上で基盤となる結果が得られた。
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