研究課題/領域番号 |
20H03704
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
久保 亮治 神戸大学, 医学研究科, 教授 (70335256)
|
研究分担者 |
福本 毅 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80778770)
高橋 勇人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40398615)
藤田 春美 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30736971)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | 細胞競合 / 汗孔角化症 / クローン性増殖 / 前癌状態 / メバロン酸経路 / コレステロール / 苔癬型免疫反応 / セカンドヒット変異 / 原因遺伝子 / コレステロール生合成 |
研究開始時の研究の概要 |
汗孔角化症は、メバロン酸経路酵素をコードする遺伝子の変異による優性遺伝性疾患であり、皮疹の辺縁に苔癬型炎症とコルノイドラメラを生じることが特徴である。我々は、汗孔角化症の皮疹が、突然変異により両アレル欠損となった変異細胞がクローン増殖した「変異細胞のコロニー」であることを見出した。本研究では、①変異細胞が周囲の野生型細胞との細胞競合に勝って表皮内でコロニーを形成するメカニズム、②コロニー辺縁で特異的にコルノイドラメラを生じるメカニズム、③コロニー辺縁で苔癬型皮膚炎を生じるメカニズム、④スタチン外用が苔癬型皮膚炎を抑制するメカニズムを明らかにし、汗孔角化症の発症メカニズムを解明する。
|
研究成果の概要 |
播種状汗孔角化症46例、ミベリの古典型汗孔角化症7例、線状汗孔角化症5例の合計58例を集積し、原因となる遺伝学的変化の検索を行った。播種状汗孔角化症46例中29例がMVD、6例がMVK、7例がFDPSにgermline変異を有していた。線状汗孔角化症5例中2例がMVDにgermline変異を有していた。ミベリの古典型汗孔角化症7例すべて既知の原因遺伝子に病原性変異を認めず、更なる解析の結果、新規原因遺伝子Xを同定した。X産物の免疫染色により、汗孔角化症の皮疹が変異細胞のクローン性増殖により生じていることを証明した。また遺伝子Xの欠損マウスを作出し、汗孔角化症モデルマウスを作成中である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
汗孔角化症は未だ有効な治療方法が確立されておらず、新規治療法開発のために病態メカニズムの解明が待ち望まれている。我々は今回、汗孔角化症の新規原因遺伝子Xを同定し、汗孔角化症の皮疹が変異細胞のクローン性増殖により生じていることを初めて組織学的に証明した。この成果は、今後の治療法開発のための大きなヒントとなる。またモデルマウス開発が確実に進展しており、今後の病態解明と治療法開発のための基盤となることが期待できる。
|