研究課題/領域番号 |
20H03705
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 哲郎 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 副チームリーダー (60624236)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 皮膚 / 自然リンパ球 / アトピー性皮膚炎 / ILC2 / ILC1 / アレルギー |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎は生涯にわたって再発を繰り返す痒みを特徴とする疾患で、患者とその家族に与える精神的苦痛、経済的負担が極めて大きい。自然免疫細胞の一つである2型自然リンパ球(ILC2)はIL-4やIL-5、IL-13などの2型サイトカインを産生することで気管支喘息、食物アレルギーなどの病態において重要な役割を果たすことが示されており、臨床研究や創薬開発の標的として注目が集まっている。本研究では皮膚ILC2の制御メカニズムを上皮-ILC2-制御性T細胞(Treg)相互作用の観点から明らかにし、アトピー性皮膚炎新規治療開発のための情報基盤を築く。
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研究成果の概要 |
本研究ではMC903アトピー様皮膚炎マウスモデルのILC2を解析することで皮膚ILC2の制御メカニズムを明らかにし、アトピー性皮膚炎新規治療開発のための情報基盤を築くことを目的とした。各種ノックアウトマウスを用いて本モデルを検討すると、TSLPがILC2の活性化に必須であり、interferon-γシグナルが炎症の終息に重要であることがわかった。一方で機械的皮膚バリア破壊モデルにおいてはこれまでアレルギー性炎症で中心的な役割を持つと考えられていたILC2は表皮肥厚には必須ではなく、ILC2以外のILCが表皮肥厚に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然免疫細胞の一つであるILC2は組織からのシグナルによって活性化し、IL-4やIL-5、IL-13などの2型サイトカインを産生することで寄生虫感染や気管支喘息、食物アレルギーなどの病態において重要な役割を果たすことから、臨床研究や創薬開発の標的として注目されている。ILC2は臓器特異的機構で活性化が制御され、皮膚ILC2のメカニズムが明らかになっているとは言い難い。本研究ではILC2活性化および抑制のメカニズムを示したともに、皮膚ILCサブセットのヘテロジェネイティと機能の多様性の一端を示した。今後皮膚ILC研究を通して組織常在性免疫細胞の普遍的な機能が明らかになることが期待される。
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