研究課題/領域番号 |
20H03706
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤原 裕展 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (20615744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 皮膚 / 発生 / 再生 / 細胞外マトリックス / 幹細胞 / 領域特異性 / 位置情報 / 領域性 / 上皮ー間充織相互作用 / ニッチ / 領域生 / 上皮-間充織相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
器官の再生においては、領域性の再構築が最重要課題の一つとなっているが、器官全体の領域性を統御するシステムの理解は進んでいない。本研究では、明瞭な領域特異性を持つ皮膚が、発生過程でどのようにして領域性を獲得するのか、そして組織修復の過程でなぜ領域性が失われ、それが回復しないのか、そのしくみを明らかにする。特に、領域特異性や位置情報に深く関わる真皮の間充織細胞と細胞外マトリックスの多様性に着目し、これらが器官の位置情報システムとして機能するしくみに迫る。皮膚は領域特異性を示す疾患の宝庫である。よって、本研究の成果は、皮膚の発生・再生研究に留まらず、皮膚疾患の病態解明にも寄与すると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究は、皮膚の発生・再生における領域特異性のメカニズムを解明することを目的とした。特に、毛包の形成と再生に関与する上皮細胞、細胞外マトリックス(ECM)、間充織細胞との相互作用に焦点を当てた。主な成果として、マウス皮膚を用いてECMアトラスを作成し、領域ごとに異なるECM分子の分布を同定し、領域特異的な基底膜が上皮と間充織を接続することで、毛包形成を制御していることを明らかにした。また、毛包発生のライブイメージング技術を確立し、毛包器官の発生と幹細胞の発生を同時に可能とするしくみを解明した。これらの成果は、皮膚の領域特異性のメカニズムの理解や皮膚疾患の治療法開発に寄与することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝情報がどのようにして器官内の空間的な構造の違い『器官の領域性』を創出するのかは生物学の重要な問題で、未だに多くの謎が残されている。本研究により、細胞外に構築されるECMに場の情報が書き込まれており、それにより領域特異的な細胞間相互作用が生まれ、皮膚の領域特異性が創出されることが示唆された。ECMは全ての器官に存在するため、本研究成果は皮膚にとどまらず、全ての器官の領域特異性のしくみの理解に寄与するものと考えられる。また、毛包幹細胞の発生起源と誘導過程が解明されたことにより、ES細胞やiPS細胞など多能性幹細胞からの毛包幹細胞や毛包器官そのものの誘導・増殖・分化の制御技術の発展も期待できる。
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