研究課題
基盤研究(B)
器官の再生においては、領域性の再構築が最重要課題の一つとなっているが、器官全体の領域性を統御するシステムの理解は進んでいない。本研究では、明瞭な領域特異性を持つ皮膚が、発生過程でどのようにして領域性を獲得するのか、そして組織修復の過程でなぜ領域性が失われ、それが回復しないのか、そのしくみを明らかにする。特に、領域特異性や位置情報に深く関わる真皮の間充織細胞と細胞外マトリックスの多様性に着目し、これらが器官の位置情報システムとして機能するしくみに迫る。皮膚は領域特異性を示す疾患の宝庫である。よって、本研究の成果は、皮膚の発生・再生研究に留まらず、皮膚疾患の病態解明にも寄与すると考えられる。