研究課題
基盤研究(B)
EBウイルス(EBV)関連癌であるアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)は、その稀少性や急激な進行のため病態解析が進まず、生存中央値2ヶ月という極めて予後不良な疾患である。これまでに腫瘍微小環境を含む包括的なANKL病態解析を可能とする異種移植モデル(PDX)マウスをANKL2症例に対して構築し、腫瘍進展の首座が肝臓の類洞であることが明らかにした。類洞の特徴を表す分子対や先行研究でEBV関連癌での重要性を示した骨髄系細胞の遊走に関与する分子対などを含む約50種類の分子対が同定し、in vivo CRISPR Screeningによって機能解析を包括的かつ詳細に行い、治療標的を同定する。
アグレッシブNK白血病に対して微小環境の包括的な解析を目指しPDXマウスを6例構築し、微小環境に注目してヒトとマウスの配列差を用いたインターラクトーム解析を行った。複数のソフトを用いて網羅的スクリーニングを行い、10対の治療標的候補遺伝子対を選出し、それらをCas9を用いて欠損させたPDXマウスを樹立し、トランスフェリン受容体(TfnR)を含む7遺伝子の欠損による増殖抑制が認めた。特に抗ヒトTfnR 抗体の投与による生存延長が顕著であり、AMEDの支援を受け、R5年度に医師主導試験が開始された。
アグレッシブNK白血病は、本邦では、年間発症数が20人から30人という希少疾患であり、進行が早く、生存中央値は2ヶ月未満である。希少疾患故、病態解析が進まず、標準治療法がない。しかし、AYA世代を含む若年者に発症する特徴や欧米では更に頻度が低いため、我が国から治療法開発をしていくべき疾患である。臨床治験を開始するところまで、研究成果をつなげられた本研究の社会的意義は極めて高いと考えられる。
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