研究課題/領域番号 |
20H03717
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 |
研究代表者 |
井上 大地 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員(副センター長・部長クラス) (80735746)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | BRD9 / 造血幹細胞 / RNAスプライシング / クロマチンリモデリング / CTCF / 骨髄異形成症候群 / クロマチン / スプライシング / クロマチン制御 / 細胞分化 / 急性骨髄性白血病 / 遺伝子変異 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では骨髄異形成症候群において高頻度に検出されるSF3B1変異の下流標的としてのBRD9ならびにncBAFの造血幹細胞における役割を解明する。申請者が作成したBrd9条件的ノックアウトマウスを用いて造血・分化・形質転換における役割を評価し、特にSF3B1変異に伴うBRD9喪失に伴うクロマチン3次元構造の変化を明らかとすることで、骨髄異形成症候群の未知の発症機構を明らかとし、メカニズムに基づいた新規治療応用へとつなげる。
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研究実績の概要 |
悪性腫瘍で最も高頻度に検出されるスプライシング関連遺伝子変異であるSF3B1変異の下流標的を探索すべく、大規模患者検体の解析とCRISPRスクリーニング手法により、新規SWI/SNF複合体(Non-canonical BAF, ncBAF)の構成因子であるBRD9遺伝子のスプライシング異常に伴う喪失を同定した。すなわち、ncBAFに必須のブロモドメインタンパクのスプライシング異常によるncBAF破綻というがんの新機構を見出し、悪性黒色腫モデルなどで証明した。次に、造血細胞特異的ノックアウトマウスを用いてBRD9の造血における役割を評価した。造血幹細胞(HSC)の質的量的低下、B細胞への分化阻害とミエロイド系列への分化促進がHSC自律的に生じ、血球減少や形態異常を呈するなど、ヒトMDSに合致する結果が得られた。興味深いことに、BRD9はAMLの発症および維持双方に不可欠であり、BRD9の喪失はAML細胞の未分化性を損なうこと明らかとした。そこで、分化運命制御の観点から統合的なマルチオミックス解析を行い、BRD9の喪失は正常HSCでも腫瘍性HSCでもオープンクロマチン化を介してミエロイド系列の遺伝子発現を誘導することを見出した。BRD9やncBAFはクロマチンループやTAD形成に不可欠なCTCFとゲノム上で共局在しており、BRD9の喪失は元々CTCFの結合が弱い部位でCTCFシグナルを増強させ、エンハンサー・プロモーターループを介した分化シグナルの亢進をきたした。これらはゲノム変異を認めないBRD9の転写後制御機構による新たなHSC運命制御を示唆する知見と言え、病態理解や治療応用につながる成果と言える。
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現在までの達成度 (段落) |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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