研究課題/領域番号 |
20H03727
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
満屋 裕明 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究所長 (20136724)
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研究分担者 |
青木 学 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70389542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | HIV-1 / インテグラーゼ阻害剤 / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)は、HIV-1感染症/AIDS治療に広く用いられており、既に4剤が本邦でも承認されている。しかしHIV-1が1つのINSTIに対して耐性を獲得すると、他のINSTIsに対する耐性が容易に発現、結果的に新規のINSTIsにも交差耐性を発現することが大きな問題となっており、又その耐性発現機構も不明な部分が多い。本研究では、INSTIs耐性発現メカニズムの解析から得られるデータを薬剤開発のデザインに取り入れ、交差耐性を示さず、且つ薬剤耐性が発現しないか、もしくは著しく発現が遅延する新規INSTIsの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
5剤のインテグラーゼ阻害剤(INSTI)が本邦で承認されておりHIV感染症とAIDSの治療に広く用いられている。しかしHIVが1つのINSTIに耐性を獲得すると、他のINSTIsに対する耐性発現を促進、結果的に既存の全てのINSTIsにも広く交差耐性を発現する。一方、HIVのINSTIs耐性発現機序は未だ不明な部分が多く残されていることから、ウイルス学的、酵素学的、構造学的な手法を用いてINSTIsに対する耐性発現の機序を解明し、同時に既存の複数のINSTIsに耐性を有するHIV変異株にも高い活性を発揮し、耐性が発現しないか、もしくは著しく遅延する新規阻害剤の開発を目指す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HIVの高度INSTI耐性の発現にはインテグラーゼ(IN)の酵素活性部位を構成する3つのアミノ酸と直接、間接的に相互作用する複数のアミノ酸置換の蓄積が必要である。本研究で明らかにしたINSTI耐性機序は耐性株にも効果のある新規INSTI開発に繋がると思われる。更に、開発中のHIVプロテアーゼ阻害剤GRL-142がINにも直接結合し、ウイルスcDNAの核移行を阻害する新規のHIV複製阻害メカニズムを明らかにした。GRL-142はINSTI耐性HIVに対しても高い活性を発揮することから、世界的な懸念材料となっているINSTI耐性HIVを有する感染者に対する治療薬開発に大きく資すると思われる。
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